NTNは、従来品比で質量17%低減、外輪外径6%低減となる世界最高水準の小型・軽量化を実現したプロペラシャフト用しゅう動式等速ジョイント「HEDJ-P」を開発した。
プロペラシャフト用しゅう動式等速ジョイント「HEDJ-P」
プロペラシャフトは4WD車などに使用され、トランスミッションの回転を車両の前後方向に伝達する役割を果たす。また、プロペラシャフト用等速ジョイントはNVH(騒音、振動、乗り心地)を重視する近年の高級乗用車、SUVへの適用が増加している。
今回、開発のベースとした従来品「HEDJ」は、NVH特性のバランスが優れているメリットのほか、車両設計の自由度を高めるため、スライド量と作動角が大きく取れることから、車両搭載性の面でも優位で、使用角度が大きいSUV(多目的スポーツ車)に適している。同社ではこれまでにHEDJを量産展開し、販売開始以来、国内外の幅広いユーザーで多数採用されている。
今回開発した「HEDJ-P」は、従来品HEDJをプロペラシャフト専用として再設計し、さらなる外輪の小径化や内輪の薄肉化などを追求したもので、その結果、HEDJに対して同等性能を確保しながら17%の軽量化、6%の外径コンパクト化を達成した。
昨今のSUVや4WD車の人気に伴い、プロペラシャフト用等速ジョイントの需要は引き続き増加傾向にあるが、同社では、SUVのプロペラシャフト用に最適な「HEDJ-P」をグローバルに提案・市場展開し、車両設計の自由度向上や低燃費化、高速化に小型・軽量化の技術で貢献していく考えだ。