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ハイウィン、ナノ精度位置決めステージ標準モデル4種を日本市場に投入、半導体製造の競争力強化へ

 ハイウィンは、要件の厳しい半導体産業のニーズに対応するナノ精度位置決めステージに標準モデル4種を新たにラインアップした。半導体製造の最先端を行く台湾にグローバル本社を置く同社では、台湾本国での実績を経て日本国内では2024年11月より発売を開始した。特に技術革新に期待が寄せられる半導体製造の後工程における競争力強化に貢献していく。

ハイウィン ナノ精度位置決め bmt ベアリング&モーション・テック

 

 PLP(パネルレベルパッケージ)検査やウエハ検査装置に活用されるナノ精度位置決めステージは、半導体検査装置や半導体製造装置に応用できるナノ精度の位置決めリニアモーターステージで、今回、短納期と高コストパフォーマンスを両立した標準機4種類をラインアップした。ウエハ光学検査モデル、LDI(レーザーダイレクトイメージング)露光機モデル、PLP検査モデル、ウエハ白色光干渉測定モデルの4機種となる。

 ムーアの法則に沿って半導体の微細化は進んできたが、平面上での開発は限界にきており、今では2.5次元、3次元においての積層技術の発展が加速している。つまり、回路を横に並べる段階から縦に積み上げる段階へと移行している。これまではシリコンウエハの微細化、つまり前工程の技術革新が半導体産業の進歩を支えてきたが、これからは後工程の進化に期待が寄せられている。

 例えば後工程内の「チップレット」というパッケージング技術に注目が集まっている。従来は一つのチップに微細化された大規模な集積回路を作り込んでいたのに対し、チップレットというパッケージング技術は、複数の小さなチップを組み合わせて、一つのパッケージを作る技術を言う。このチップレットの技術進化には、チップレット同士を繋ぐ2.5次元や、さらに効率的で高精度な3次元の積層技術の開発が求められている。

 パッケージング工程において精度が高く、ジッターの少ない位置決めステージの需要が増えていくこと見込まれる中、同社のナノ精度位置決めステージ「N2」の位置決め安定性は±2nmで、100mm/sでの高速安定性は±0.1%。低床で安定した構造で3Dパッケージング工程に有用なリニアモーターステージとなっている。

 また、3Dパッケージングにおいては製造工程が多く複雑であることから、品質の安定性を不安視する見方もあり、正確な検査も重要なファクターとなっている。同社のナノ精度位置決めステージは半導体検査装置でも活用できる。

 同社では従来、カスタム対応が多いナノ精度位置決めステージだったが、この度の標準機投入によりユーザーの開発期間を短縮させるソリューションを提供する。同社では自社製コンポーネントを幅広く揃えており、各部材、技術者をすべて社内で確保できるため、他社にない設計納期、生産納期を実現する。同社は、機械要素部品、メカトロ製品、制御技術の三つの要素を備えており、標準機だけでなくカスタム対応にも柔軟かつ迅速に対応できるとしている。

ハイウィン ナノ位置決めステージの標準モデルラインアップ bmt ベアリング&モーション・テック
ナノ位置決めステージの標準モデルラインアップ