日本精工(NSK)は、潤滑油供給能力の高い潤滑ユニット「NSK K1-L™」を搭載したローラガイドの販売を本年10月に開始する。本製品は、従来はボールガイド向けに展開していた潤滑ユニットNSK K1-L™をローラガイドにも適用したもの。ローラガイドの長期にわたる潤滑メンテナンスフリー化に貢献する。NSKは、NSK K1-L™搭載のローラガイドについて、2028年に年間5億円の売上を目指す。
NSKは本製品を2026年10月26日~ 10月31日に東京ビッグサイトで開催される「JIMTOF2026(第33回日本国際工作機械見本市)」に出展する。
潤滑ユニット「NSK K1-L™」を搭載したローラガイド
機械の直線運動を支える直動案内製品は、ボールやころ(ローラー)などの転動体が循環してスライダが移動する機構で、潤滑剤は、摩耗やはく離を予防するために用いられる。NSKの直動案内製品「NSKリニアガイド」を大別すると、転動体にボールを用いるボールガイドと、ころを用いるローラガイドの二つに分類され、ボールガイドは汎用性に優れ、主に半導体製造装置や各種搬送装置に搭載され、ローラガイドは高剛性・高負荷容量という特長を持ち、主に工作機械や大型搬送装置で使用される。
左:潤滑ユニット「NSK K1-L™」を搭載したローラガイドの構造、
右:スライダの内部で「ころ」が循環するようす
工場のスマートファクトリー化に伴い、装置の省人化や自動化が進展する中、ボールガイドやローラガイドで使用される潤滑剤に対して、給油や再給脂などのメンテナンス作業の軽減が求められてきた。この要求に応えるため、NSKは潤滑油を供給する潤滑ユニットの開発・販売を進めてきた。
1996年に潤滑ユニットNSK K1™の販売をボールガイド向けに開始し、その後ローラガイドにも適用を拡大。さらに、潤滑油供給能力を向上させた潤滑ユニットNSK K1-L™をボールガイド向けに開発・発売した。
その結果、NSK K1-L™はボールガイド市場で高い評価を獲得しているが、近年では、工作機械、大型搬送装置、半導体製造装置、二次電池製造設備、産業用ロボットなど、高負荷で高い信頼性が求められる用途においても潤滑メンテナンスフリー化へのニーズが高まっており、NSKではこうした市場ニーズに対応すべく、今回NSK K1-L™の適用対象をローラガイド向けにも拡大したもの。
潤滑ユニットNSK K1-L™は、油と樹脂を一体成形した製品。潤滑油を多量に含有した樹脂で構成され、内部の潤滑油が徐々に染み出すことによって、長期にわたってローラガイドに潤滑油を供給する。
NSK K1-L™は従来の潤滑ユニットNSK K1™と比べ潤滑油供給期間を約2倍に延長、これをローラガイドに適用することで、ユーザーの使用開始から再給脂作業までの期間を延長し、長期にわたる潤滑メンテナンスフリー化に貢献する。
ローラガイドはボールガイドに比べて広い軌道面を有しているため、この領域に潤滑ユニットを安定して接触させることに課題があった。この課題を克服するため、NSKのコアテクノロジーであるトライボロジー技術と解析技術を組み合わせることで、潤滑ユニットと軌道面の継続的な接触状態の把握を可能とした。これにより、ローラガイドに最適な形状の潤滑ユニットを開発し、長期間にわたる安定した潤滑を実現した。