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ジェイテクト、自動運転対応技術のEPS開発ロードマップを提示

 ジェイテクトは10月26日、東京都江東区の東京ビッグサイトで、同社・安形哲夫社長による「東京モーターショー2017プレスブリーフィング」を開催した。
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 当日はまず安形社長が、同社が世界シェア26%を持つステアリングシステム(電動パワーステアリング(EPS)では世界シェア27%)についての開発ロードマップを提示。特に燃費向上に寄与してきたEPSにおいて、高度運転支援・自動運転における安全性と快適性を向上させるための開発の方向性について述べた。

 同社は、自動運転社会においてドライバーの操作意思と自動車のシステム(パワステシステム)とを協調・調和させ安全性と快適性を向上させる技術開発を推進しているが、東京モーターショー2017ではその開発姿勢を『思い通りって、楽しい』という出展コンセプトとして打ち出した。

 EPSのトルクセンサーによりドライバーがハンドルを掴んでいるか離しているかを検知するセンサー技術「ハンズオンディテクション」や、センサーを通じてドライバーの運転意志を検知し、自動走行から手動走行へシームレスに移行するシステム「操舵権限移譲技術」、統合制御システムからの操舵意思の発生時に、路面状況や車両姿勢などに応じて適切に車両を操舵する「高精度舵角制御」という、人と車の意思が調和する自動運転対応技術を提案した。

 また、各種車両に応じた同社の自動運転対応技術の開発状況が紹介された。

 従来は油圧式パワーステアリング(HPS)が採用されてきた大型乗用車・ピックアップトラック向けでのEPS搭載を実現するため、自社で補助電源システムと高耐熱リチウムイオンキャパシタを開発。EPS搭載を可能にすることで大型乗用車の環境性向上と自動運転化に貢献できるとした。
補助電源搭載パワーステアリングシステム補助電源搭載パワーステアリングシステム

 また、さらにEPS搭載が難しく自動運転化が困難と見られる大型輸送車(バス・トラックなど)向けでは、EPSの制御技術をコラム同軸アクチュエーターに応用、アクチュエーターがドライバーの代わりとなって油圧式パワーステアリングを操作する自動運転対応ステアリングシステムを提示した。HPSシステムとEPSシステムを組み合わせてバス・トラックの自動運転化に貢献できるとして、すでに試験評価が進められていることを報告。安形社長は、「2019年ごろをめどに量産化につなげたい」との考えを明らかにした。
大型輸送車用自動運転対応ステアリングシステム大型輸送車用自動運転対応ステアリングシステム

東京モーターショー2017でのEPS展示:左が大型輸送車用自動運転対応ステアリングシステム東京モーターショー2017でのEPS展示:左が大型輸送車用自動運転対応ステアリングシステム