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SEMICON Japan 2024

 

ジェイテクト、軸受寿命を倍増した耐食ステンレス軸受を開発

 ジェイテクトは、高機能フィルム製造装置などで使用する耐食ステンレス軸受として、従来品から耐摩耗性を向上させ軸受寿命を約2倍延長させた特殊環境用軸受EXSEV®軸受シリーズ製品「コロガードプロベアリング®-LS」を開発した。これによりユーザーの装置メンテナンス周期の延長に貢献する。

コロガードプロベアリング®-LS bmt ベアリング&モーション・テック
コロガードプロベアリング-LS

 

 高機能フィルム・FPD(液晶、有機EL)メーカーやそれらの製造装置メーカーに提案を進め、1億円/年の販売を目指す。同社四国工場(徳島)および亀山工場、グループ会社のダイベアでの製造を予定している。

 一般的に防錆油の使用できない環境では、錆を防止するためにマルテンサイト系ステンレス軸受が使用されるが、水や溶液など腐食性がより高い環境では析出硬化系ステンレス鋼を用いた軸受が使用される(同社従来品「コロガードプロベアリング®-MD」が該当)。

 しかしながら、析出硬化系ステンレス鋼は通常の軸受用ステンレス鋼と比べ耐食性は高い一方で、硬度が低く耐摩耗性に劣る部分があり、使用条件によってはユーザーにおいて短い周期で軸受交換を実施していた。

 これに対しジェイテクトは、ユーザーの装置メンテナンス周期の延長(交換頻度の低減)に貢献すべく、「コロガードプロベアリング®-LS」を開発したもの。

 開発品の主な特徴と効果は以下のとおり。

1.軌道輪(内、外輪)に高耐食ステンレス鋼を採用することにより、従来品と比べ以下の特徴や効果が期待される

・軸受の寿命が約2倍に向上(摩耗深さは従来品比約75%低減)

・軸受の交換回数削減によりお客様のランニングコストを低減

2.通常のステンレス軸受では対応できない腐食環境には寿命の長い開発品を適用し、開発品でも対応できない一部酸環境には従来品を適用

耐食軸受の性能イメージ bmt ベアリング&モーション・テック
耐食軸受の性能イメージ

 

 今回の開発品を通じて貢献可能なSDGsの目標として同社は、「9.強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る」と「12.持続可能な消費と生産のパターンを確保する」を挙げている。