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SEMICON Japan 2024

 

ジェイテクト、水素エンジン向け高圧水素減圧弁の開発に着手

 ジェイテクトは、カーボンニュートラル達成に向けて注目を集める水素社会への貢献を目指し、化石燃料の代わりに水素をエンジンで燃焼させて走行する水素エンジン車向けに、「高圧水素減圧弁」の開発を推進している。

 ジェイテクトでは、「2035年オールジェイテクトによるカーボンニュートラル達成」を実現するための製品開発に注力しているが、すでに量産している燃料電池自動車向けの製品だけでなく、水素エンジン車向けに製品開発の領域を拡大、2030年以降の本格的な水素社会の到来に向けて事業を推進していく。

ジェイテクト 水素エンジン向け高圧水素減圧弁 bmt ベアリング&モーション・テック
水素エンジン向け高圧水素減圧弁

 

 ジェイテクトでは2002年より高圧水素事業に着手しており、これまで燃料電池自動車用の「高圧水素供給バルブ」と「高圧水素減圧弁」を発表してきた。

 20年以上の技術開発と2世代にわたる市販車への世界トップレベルの量産実績(生産実績5.4万個以上、量産延べ走行距離7.9億㎞以上≒地球2万周分相当)を通じて培った高圧水素製品の小型軽量・高信頼性といった強みを生かし、今回、水素エンジン車向け高圧水素製品の開発に着手したもの。

 燃料電池自動車では燃料電池内で水素と酸素を化学反応させて発電し、得られた電気でモーターを回転させて走行するのに対し、水素エンジン車は、ガソリンの代わりに水素をエンジンで燃やし、水素の爆発によって得られるエネルギーを利用して駆動力を得る。化石燃料と比較して、水素には燃焼すると空気中の酸素と反応して水になるという性質があり、走行時にはほとんどCO₂を排出せず、また資源の枯渇の心配がないという特長がある。

 ジェイテクトが手掛ける高圧水素用供給バルブと減圧弁は、水素燃料電池自動車の高圧水素貯蔵システムにすでに搭載されており、高圧水素システムの肝である基盤技術と言える。今回開発した水素エンジン車向け高圧水素減圧弁は、バルブから供給された高圧水素をエンジンで必要な圧力に調整(減圧)する製品。燃料電池自動車向け第2世代高圧水素減圧弁のコア技術を生かし、エンジンが必要とする圧力の水素を供給することができる。

ジェイテクト 水素エンジン車の概略 高圧水素供給バルブ及び高圧水素減圧弁の搭載箇所 bmt ベアリング&モーション・テック
水素エンジン車の概略 高圧水素供給バルブ及び高圧水素減圧弁の搭載箇所

 

 ジェイテクトでは、カーボンニュートラル達成の一つの大きな手段である水素社会実現に向けて、モビリティ領域のみならずさまざまな産業領域で水素エンジンの普及に貢献するため、高圧水素製品の開発を推進していく、としている。