ジェイテクトは、市販向け軸受の新商品として、ロードバイク用高性能セラミックボール軸受「鬼ベアリング」(ONI BEARINGTM)を8月20日に発売する。限定30セットで、価格は120000円(税込。軸受(フロント・リア)と工賃の価格で、ホイールの価格は含まれていない)。
ジェイテクトはこのほど、1984年に世界で初めて実用化したセラミックボール軸受の技術を結集し、自動車・産業機械向けに培った知見を活かして、自転車用軸受市場に本格参入した。
ONI BEARINGは、既存のロードバイク用軸受と比べ圧倒的な低トルクを誇り、漕ぎ出しの軽さとホイール速度維持を実現し、また軸受の基礎技術を積み上げ、高い耐久性と長寿命を誇る。これらの性能により、ロードバイクユーザーの、より速くより快適な走りの実現に貢献できる。
圧倒的な低トルク性能が評価され、国内屈指のロードバイクレーシングチーム「MATRIX POWERTAG(マトリックスパワータグ)」のレース車両に試作品が採用。選手からは「桁違いに軽い。特にコーナーの立ち上がりに軽快さがある」など好評を博しており、今シーズンのチームの戦績に貢献することが期待されている。
ONI BEARINGの名前の由来はJTEKT GROUP VISIONのNo.1&Only OneよりONIを取り、セラミックボール軸受として低トルクを筆頭に圧倒的な高性能、さらに自転車競技の本場欧州への日本ブランドアピールも込めて、ONI(鬼)を商品名に採用した。
日本最大級のスポーツサイクル専門店Y’s Road(ワイズロード)の大阪本館と名古屋本館で販売をスタート。Mavic(マヴィック)製ホイールの現行モデル(COSMIC、KSYRIUM)にはオプションでONI BEARINGを搭載することができ、購入者にはホイールのハブに「ONI BEARING」のロゴを付けることも可能。
ジェイテクトでは、より多くのロードバイクユーザーやサイクルレースファンに、同社の自転車市場への本格参入とONI BEARINGを知ってもらう目的で、8月20日、21日の両日に開催される「シマノ鈴鹿ロード」にイベント出展し、デモ機展示や前後輪でONI BEARINGを搭載した試乗車の貸出などを実施する予定で、以降も今治クリテリウムなどロードレース会場での体験会や試乗会などを実施する予定となっている。
同社では、今回発売の商品を皮切りに、技術力をより高め、一層の低トルク化を実現するなど、良質廉価を極め競争力を高めるとともに、販売数量を拡大し、本格的な事業化を目指していく。ONI BEARINGとしてフロントホイール用、リアホイール用の商品群だけでなく、ペダル周辺のクランク用軸受、変速機周りのプーリー用軸受にも領域を広げるとともに、「ベアリング交換キット」とのセット販売なども行い、ロードバイクユーザーへの嬉しさを提供していく考えだ。