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SEMICON Japan 2024

 

ジェイテクト、電動化に貢献する超幅狭軸受を新開発

 ジェイテクトは、今後のBEV(電気自動車)の市場拡大を見据え、eAxleに搭載される軸受を幅狭化した超幅狭軸受「JTEKT Ultra Compact BearingTM (JUCB)」を新たに開発いたしました。eAxleの一層の小型化・軽量化に貢献する。JUCBは、BEVのeAxleだけでなく、建設機械や農業機械、ロボット、ドローンなどの産業機械に適用することで、国内外のあらゆる駆動システムの小型化ニーズに対応できる。同社ではJUCBで約70億円/年の売上を目指す。

ジェイテクト JUCB bmt ベアリング&モーション・テック
JUCB

 

 自動車の電動化が進む中、インバータ、モーター、デフを含む減速機を一体化させたeAxleと呼ばれる電動駆動システムの開発・採用が急激に拡大しており、電費向上や航続距離延長など、より良いBEV実現のためには、その駆動源の心臓部であるeAxleの小型化が求められている。

 ジェイテクトは、2016年に主にHEV(ハイブリット車)やBEVのモーターに使用される高剛性組み合わせ樹脂保持器を開発した。今回開発したJUCBは、高剛性組合せ樹脂保持器をベースに保持器側面中心に穴を設け、保持器の幅を極限まで狭くすることで軸受の幅狭化を実現した。また、独自の金型設計および成形手法を確立し、幅狭化をする中でも保持器の強度を確保することができた。JUCBの特徴は以下のとおり。

ジェイテクト 軸受の幅狭化 bmt ベアリング&モーション・テック
軸受の幅狭化


・軸受性能(強度、耐久性)は従来品と同等、軸受幅は従来品に対して極限まで狭めることを達成した。汎用サイズ(6207)への適用で、軸方向寸法5mm(約30%)の短縮、重量は73g(約26%)の低減となる。これにより、同軸タイプや3軸タイプeAxleに搭載することで、ユニット長の短縮化を可能とする。

ジェイテクト 幅狭保持器 bmt ベアリング&モーション・テック
幅狭保持器

 

ジェイテクト 同軸タイプ(左)および3軸タイプ(右)eAxleの断面図とJUCBによるユニット長短縮化 bmt ベアリング&モーション・テック
同軸タイプ(左)と3軸タイプ(右)
eAxleの断面図とJUCBによるユニット長短縮化

 

 今後は、JUCBだけでなく、発表済みのJTEKT Ultra Compact Diff.(JUCD)や現在開発中のeAxle向け超幅短オイルシールなど、ジェイテクトグループが有する技術でシナジーを生み出し、ユーザーに電動化貢献技術を提案していく。

 BEV電動駆動システムで特に需要拡大が予測される出力150Kwの同軸タイプeAxleに、上述3製品を適用した場合、eAxleのユニット長を約50mm短縮、重量を約5kg低減すると算出され、eAxleの幅寸法短縮をはじめ、前後寸法や高さ寸法の短縮、それらに伴う小型化・軽量化に貢献することが期待できる 。

 ジェイテクトでは引き続き、グループを挙げて、eAxleの一層の小型化・軽量化に寄与し、バッテリー搭載量拡大によるBEV航続距離向上をはじめ、eAxle搭載位置の自由度拡大、車室や荷室空間の確保、車両シルエットの自由度拡大、電費向上など、BEVにおける嬉しさ追求に貢献していく。