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SEMICON Japan 2024

 

イグス、無潤滑ボールベアリング用の耐薬品性・高温耐性の新材質を開発

 イグスは、無潤滑ボールベアリング「クシロス A500製ラジアル深溝ボールベアリング」の材質として、酸化ジルコニウム製セラミックボールとクシロデュールF500ケージ(保持器)材質の二つの新材質を追加した。

イグス クシロス A500製ラジアル深溝ボールベアリング bmt ベアリング&モーション・テック

 

 化学産業や半導体産業では、ボールベアリングのような機械部品は頻繁に交換され、システムのダウンタイムのリスクが常に存在する。耐久性に対するユーザーからの要望を受け同社では、クシロスA500ポリマー製ボールベアリングに今回、二つの素材を新しく採用した。新素材を使用した無潤滑ボールベアリングは、化学産業や自動車産業における半導体やバッテリーの製造で発生する、耐薬品性・非金属使用・高温耐性が求められる環境で真価を発揮する。用途に適したケージやボール素材を探すユーザーに対し、さらに多くの選択肢を提供できるようになる。

 今回新しく、ステンレスボールとガラスボールに加えて、酸化ジルコニウム製のセラミックボールを使ったラジアル深溝ボールベアリングの提供を開始する。ボールベアリングの内輪と外輪には、これまで同様、実績のあるクシロデュールA500高機能ポリマーを使用している。セラミックボールは高い強度と高い耐破壊性、低摩耗性、高い耐熱衝撃性を有し、高温耐性・耐薬品性が要求される環境で、ステンレスボールやガラスボールに比べよりも強い耐性を発揮する。

 また、高温用ケージ材としてクシロデュールF500を新しく選択できるようになった。F500ケージは、すでに高い耐摩耗性が実証されているイグリデュールJ3ケージ材をベースに開発。同社ドイツ・ケルン本社にある試験施設では、クシロス ボールベアリングをさまざまな試験装置でテストしているが、強化されたクシロデュールF500ケージは、同等のA500ボールベアリングケージよりも最大50%の長寿命化を達成している。

 また、F500ケージの使用により、無潤滑ボールベアリングは150℃の高温での連続使用に長く耐えられるようになっただけでなく、多くの薬品に耐性を発揮する。

 クシロスシリーズは高機能ポリマー製であるため、従来のステンレス製ボールベアリングよりも最大50%軽量であるほか、ポリマーに組み込まれた固体潤滑剤により、メンテナンスと潤滑油を必要とせず、衛生的に低摩擦の無潤滑運転を可能にしている。また、今回開発した新素材のセラミックボールまたは新ケージ材質を使用したクシロス A500製ラジアル深溝ボールベアリングは、化学・半導体産業における過酷な高温環境でも確実に動作する高い信頼性を実現している。