ジェイテクトは、グリース潤滑での高速回転に対応した、工作機械主軸用軸受「ハイアビリーJFASTTM」を開発した。消費電力の大きいオイルエア潤滑に置き換わるグリース潤滑によって、カーボンニュートラルに貢献していく。
ハイアビリーJFASTTMは、2年前に開催されたJIMTOF2022でのユーザーの声を反映して開発された。
工作機械主軸用軸受は高速回転が求められるため、通常はオイルエア潤滑が採用されるが、機械稼働中は常にエアを使用するため消費電力が大きくなるという課題があった。この課題に対し同社では、独自保持器設計技術により、グリース潤滑で対応できる高速回転領域を拡大し、省エネさらにはCO2排出量削減を実現するソリューションとして、本製品を開発したもの。
ハイアビリーJFASTTMは、グリース潤滑用に最適設計したPEEK樹脂製の保持器を採用した、高速性と低昇温性に優れた工作機械主軸用軸受。
アンギュラ玉軸受では、世界初のグリース潤滑でdmn値(ピッチ円直径(mm)×回転速度(min-1))で180万を達成(同社調べ)。軸受の昇温は従来品比約30%低減し、グリース寿命は約20%向上した。
円筒ころ軸受では、グリース潤滑でdmn値150万を達成。軸受の昇温は従来品比約40%低減し、グリース寿命は約20%向上した。
この二つの軸受を採用することで、#40サイズで20000min-1の回転が可能な主軸を提案。これにより、主軸の潤滑方式をオイルエア潤滑からグリース潤滑へ置き換えることができ、主軸エア消費量をオイルエア潤滑に比べて約60%削減できる。