ジェイテクトは、鉄鋼圧延機の安定操業とライフサイクルコスト低減への取組みとして、RFID(電波を用いてタグ内に記録したデータを非接触で読み書きするシステムによる製品情報管理システム)を用いて、駆動軸の履歴を可視化するシステムを開発した。本年9月にサービスを開始、国内外の鉄鋼会社に提案を進め、4億円の販売を目指す。
圧延機用駆動軸は、振動や衝撃、高温、水やスケールの飛散などを伴う環境下で24時間連続稼働されるため、劣悪な環境に耐えうる強靭さが求められている。そして、駆動軸の故障は、機械の稼働率に直接影響を与えることから、安定操業のためには駆動軸の製品情報管理と保守点検履歴の把握が必要不可欠となっている。
こうした問題の解決策として同社では、駆動軸の製品情報とメンテナンス履歴をデータベース化し、RFIDとデータベースをリンクさせることで履歴を可視化し、補修や交換時期の予測を可能にするシステムを構築した。これにより、効果的なメンテナンスサイクルの提案が可能になり、圧延機の安定操業とユーザーのメンテナンスコスト削減に貢献する。
履歴管理システムの構造は、以下の図のとおり。
履歴管理システムの構造
履歴管理システムとデータベース化の流れは、以下のとおり。
・駆動軸の製造番号、使用履歴、定期補修時期などの情報共有により履歴管理データベースを作成
・履歴管理データベースによりお客様の駆動軸総保有数や使用状況、点検補修時期を可視化
・毎月の使用状況を確認しデータベースを更新
・リーダーライターとソフトウェアがインストールされたパソコンやモバイルタブレットを用いて、現品の情報を速やかに確認
取り付け方法は、以下のとおり。
・RFIDタグに予め製造番号などのデータを入力して駆動軸に取り付ける
・部品にRFIDタグを取り付け、外周をシールボンドでコーティング
・RFIDタグの設置個所は、クロスベアリングとヨーク部品
取り付け方法