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SEMICON Japan 2024

 

日本ベアリング、コンパクトタイプのボールねじスプラインを開発

 日本ベアリングは先ごろ、1軸で「位置決め」「直線運動」「回転運動」を行うことができ、直線運動と回転運動を組み合わせることで「スパイラル運動」を可能にする「NBボールねじスプライン」のコンパクトタイプ「SPBR-KP形」および直線運動に特化した「SPBF-KP形」を開発、市場に投入した。スカラ形ロボット、組立機、ローダーなど様々な機械における可動機構の簡素化と省スペース・軽量化、さらには重量削減による省電力化に貢献する。
 

SPBR-KP形
SPBR-KP形


 

SPBF-KP形
SPBF-KP形

 

 「NBボールねじスプライン」はボールねじとボールスプラインのそれぞれの軌道溝を設けた1本の軸と、高剛性で高精度なロータリーボールねじナット、さらにロータリーボールスプライン外筒で構成される。「NBボールねじスプライン」は、ボールねじナットとボールスプライン外筒に高速回転が可能なアンギュラコンタクトの回転部を一体としたロータリーボールねじナットとロータリーボールスプライン外筒が組み合わされた「SPBR形」とロータリーボールねじナットとボールスプライン外筒が組み合わされた「SPBF形」をラインナップする。

 SPBR形を例にとると、駆動モータによってボールねじナットが正転するとボールスプライン外筒が回り止め機構となってボールねじスプライン軸(出力軸)が上に移動、反対にボールねじナットが逆転すると同様の機構で出力軸が下に移動する。

 また、駆動モータによってボールスプライン外筒とボールねじナットを同時に回転すると出力軸では上下動はなくボールスプライン外筒の回転方向に旋回運動を行う。

 さらに駆動モータによってボールスプライン外筒が正転しボールねじナットが回り止め機構となる場合は、出力軸は下に移動しつつ正転するスパイラル運動を行い、ボールスプライン外筒が逆転すると同様の機構で出力軸が上に移動しつつ逆転するスパイラル運動を行う。
 

SPBR形作動パターン図 ※上から見て右回転を正転とする
SPBR形作動パターン図 ※上から見て右回転を正転とする

 

 今回開発された「SPBR-KP形」および「SPBF-KP形」では、従来のSPBR形およびSPBF形でフランジ外輪と外輪の間に設けられていた間座(SPBR形ではロータリーボールねじナットとロータリーボールスプライン外筒の両方で設けられている)をなくしフランジ外輪と外輪を一体構造として軽量化と省スペース化を図った。さらにボールねじスプライン軸を中空構造とすることでさらに軽量化した。

 軸径16mmの製品で比較すると、SPBR16形のロータリーボールねじナットの長さ43.5mm、重さ0.46㎏、ロータリーボールスプライン外筒の長さ50mm、重さ0.54㎏に対して、SPBR16KP形ではそれぞれ長さ40mm、重さ0.36㎏、長さ50mm、重さ0.37㎏とコンパクト・軽量化している。SPBR16形で重さ1.47㎏/mあった軸も、SPBR16KP形では中空化によって0.75㎏/mと半減させている。

 これによって、ロボットなど可動部の軽量化、コンパクト設計と、駆動のための消費電力の低減に貢献できる。


 

開発品の構造
開発品の構造

 

従来品の構造
従来品の構造