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SEMICON Japan 2024

 

ジェイテクト、第5世代 低トルク円すいころ軸受を開発

 ジェイテクトは、自動車のトランスミッションやデフユニットのピニオン支持などに使用される円すいころ軸受において、シリーズNo.1の低トルク性能と最軽量を誇る第5世代の低トルク円すいころ軸受「LFT-V」(LFTはLow Friction Torqueの略で同社の登録商標)を開発した。

LFT-V
LFT-V

 

 2022年をめどに量産を開始、自動車の低燃費化、高効率化に貢献するとともにEV化にも対応する製品として、今後国内外の自動車メーカー・変速機メーカーなどへ提案を進め、2025年に170万セット/年の販売を目指す。

 自動車のトランスミッションやデファレンシャルに用いられる円すいころ軸受は油中で使用されるが、特に「潤滑油粘度が高い」「給油量が多い」「回転速度が高い」といった使用条件となり、軸受のポンプ作用により、潤滑油の撹拌損失が大きくなってしまうという問題があった。

 そこで同社では、潤滑油の攪拌損失の低減に着目し、軸受内部に流入する潤滑油量を抑制することで大幅な低トルク化を実現した「第3世代低トルク円すいころ軸受(LFT-Ⅲ)」、「第4世代低トルク円すいころ軸受(LFT-Ⅳ)」を開発し商品化してきた。

 今回、さらなる低燃費化へのニーズに対応すべく樹脂保持器形状の最適化を行い、潤滑油の流入量を最適制御することで、シリーズNo.1の低トルク性を実現するとともに、保持器ポケット部に油を保持できる溝を設け、始動時や低温時の耐焼付き性の向上に加えて、昨今の低粘度油化および油量低減を見据えて軸受内部の油流れの最適化を行うことで、軸受昇温も低減できる第5世代低トルク円すいころ軸受(LFT- V)を開発したもの。

 開発品の特徴は以下のとおり。

・樹脂保持器形状の最適化により、いずれもLFT-Ⅱ比で、損失トルク60%低減、軸受昇温15%低減、異物油中寿命2倍、耐低温焼付き性:無給油焼付き時間2.2倍、という円すいころ軸受-LFTシリーズNo.1性能を実現

シリーズNo.1性能
シリーズNo.1性能


・周辺部品の変更なしに省スペースでの低トルク設計対応が可能になり、円すいころ軸受-LFTシリーズ最軽量を実現(保持器の質量60%削減で、軸受質量5%軽量化)

シリーズ最軽量
シリーズ最軽量