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第9回ものづくりワールド名古屋

 

NTN、ドライブシャフトがキャデラック新型「エスカレード」に採用

 NTNのリヤ用ドライブシャフト(CVJ)が、ゼネラルモーターズ社(GM社)のフルサイズ(大型)SUV・キャデラックの新型「エスカレード」に100%シェアで採用された。採用されたドライブシャフトは、2020年夏より量産を開始している。新型「エスカレード」は、2020年後半に北米で発売後、他国にも順次拡販されている。

 

GMに採用された NTN ドライブシャフト
採用された NTN ドライブシャフト

 

 近年、フルサイズSUVは、北米を中心に人気が高まる中、乗り心地や操作の安定性などの向上が求められている。

 今回フルモデルチェンジした新型「エスカレード」は、左右のホイールを個別に路面状況に対応させることができる独立懸架式のリヤサスペンション(IRS:Independent Rear Suspension)を採用。フルサイズSUVにはこれまで、後輪(リヤ)にドライブシャフトを使わず、左右のタイヤを車軸(アクスル)でつなぐ車軸懸架(リジッドアクスル)のサスペンションを使用することが一般的だったが、新設計のIRSを採用することで、乗り心地、ステアリングの応答性、ドライバーのコントロール性を飛躍的に向上させている。また、IRSの採用により、室内のフロア高を低く抑え、キャビン空間が拡大したことで、2、3列目のシートにもより簡単にアクセスできるようになり、3列目シートの乗車の快適性も向上している。

 新設計のIRSに使われているドライブシャフトは、エンジンの動力をなめらかに左右のタイヤに伝え、標準搭載される6.2L V8エンジンから生み出される最高出力426馬力(313kW)、最大トルク620Nmのパフォーマンスを支えている。

 また、ドライブシャフトは、新開発のシャシー技術である「マグネティックライドコントロール」や「アダプティブエアライドサスペンション」、「電子制御式リミテッドスリップディファレンシャル(eLSD)」と連動しており、優れたレスポンスや操安性、精緻なドライビングエクスペリエンスの実現にもNTNの技術が活かされている。

 採用されたNTNのドライブシャフト(EBJ:固定式等速ジョイント、EDJ:ダブルオフセット型等速ジョイント)は、フルサイズSUVに対応するサイズでありながら、独自技術である8ボール設計(従来は6ボール設計が一般的)による軽量コンパクト設計を特長とする商品となっている。

 リヤ用ドライブシャフトに必要な作動角とする専用設計に加え、中空シャフトを適用することにより軽量で高剛性な仕様となっており、機能性や快適さの向上と、車両の軽量化・省燃費化との両立に貢献している。

 今回、グローバルで高いシェアを誇るNTNのドライブシャフトの採用実績に加え、フルサイズSUVのニーズを満たす軽量コンパクト設計を実現した技術力や品質、信頼性の高さなどが評価され採用となったもの。同社のドライブシャフトは、フルサイズのラグジュアリーSUVのアイコン的存在である「エスカレード」をはじめ、シボレー・タホ、サバーバン、GMCユーコンなどGM社のフルサイズSUV全車に搭載されている。

 GM社のフルサイズSUVは需要の増加が続く北米市場で特に人気で、年間約30万台の販売を記録している。

 AWD/4WD車両向けドライブシャフトの需要の増加や、独立懸架式サスペンション設計の普及を見込み、NTNでは引き続き、北米における自動車事業の販売拡大に取り組んでいく考えだ。