ジェイテクトは、鉄鋼圧延設備における軸受荷重センシング技術を開発した。同社では、開発技術を用いることで正確な設備状態の”見える化”と“壊れない軸受”の提案を実現、設備の健全化と生産性の向上に貢献していく。国内外の鉄鋼メーカーに販売を展開し、5億円/年の売上を目指す。
鉄鋼圧延設備は、高温・重荷重・高速回転などの過酷な環境においても安定した稼働と整備コストの低減が求められている。設備の安定稼働のためには主要部品である軸受の突発損傷や、それに起因する設備の二次被害を防止することが重要だが、従来の設備管理は、温度や振動変化の傾向を一定期間管理しての、過去の経験に基づく健全化対応が主流だった。
今回同社が開発した鉄鋼圧延設備用軸受の荷重センシング技術は、設備の状態をより早く正確に把握することで、①軸受を通じた設備健全性の見える化、②過酷な負荷条件における信頼性の高い設備改修(高速化・高張力鋼などの難圧延材対応)、③軸受破損原因の推定と,最適設計により壊れない軸受提案、を可能にした。
この軸受荷重センシング技術を用いた設備健全化について同社では,すでに実際の生産現場において提案を開始している。今後の取組みとして同社では、①ワイヤレス化によるセンシング軸受組付けの簡易化、②自己発電等を利用した長時間測定対応、を予定している。