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大同特殊鋼、連続式真空焼鈍炉の初号機が引き渡し完了

5日 10時間 ago
大同特殊鋼、連続式真空焼鈍炉の初号機が引き渡し完了

 大同特殊鋼( https://www.daido.co.jp/ )は、浜名部品工業へ連続式真空焼鈍炉の初号機の引き渡しを完了したと発表した。浜名部品工業として、自動車用部品の熱処理において、同品で既設雰囲気炉と同等以上の品質が実現できていると判断され、2025年12月より生産運用を開始している。

 同品は、ヒーター加熱式によってエネルギー源を電気のみとし、化石燃料を一切使用しない熱処理炉。CO2排出係数がゼロのカーボンフリー電力を使用することで、顧客のCO2排出量ゼロを可能とする。また、従来の雰囲気焼鈍炉では、化石燃料由来の炉内雰囲気を必要としていたが、炉内を真空にすることで従来の設備と同等以上に酸化および脱炭を抑制しながら、雰囲気ガスの使用量をゼロとしている。
 

浜名部品工業で稼働する連続式真空焼鈍炉

 

admin 2026年2月12日 (木曜日)
admin

Rtec-Instruments、ナノインデンテーションセミナーを開催

1週 ago
Rtec-Instruments、ナノインデンテーションセミナーを開催

 Rtec-Instrumentsは2月2日、東京都葛飾区の東京理科大学でセミナー「ナノインデンテーションがわかる一日」を開催した。

開催のようす

 

 当日はまず、Rtec-Instruments日本法人社長の國井卓人氏が企業紹介と同社の多機能摩擦摩耗試験機MFT-5000を中心とするトライボロジー試験機、3Dプロファイラー、ナノインデンターを含む表面機械特性評価機器といった製品技術と採用実績などについて簡単に紹介した。

 続いて、東京理科大学 佐々木信也教授が「ナノインデンテーション法による薄膜・材料表面の測定技術とその活用法」と題して、ナノインデンテーション試験の基本原理から測定可能な機械的物性、測定値の再現性に影響するサーマルドリフトや圧子先端形状など校正が重要といった測定上のポイントについて解説したほか、Low-k材料のナノインデンテーション測定などの事例を紹介した。

基礎講義を行う佐々木氏

 

 また、CSM Instruments在籍時からナノインデンテーション試験に携わってきたRtec-Instrumentsスイス支社のPhilips Kempe氏が新型ナノインデンター「SMT-2000 PIQ」について、最新のピエゾアクチュエーターと静電容量センサー、試料に均一に接触して押し込むリング内圧子などによって正確な押込み制御が可能で、コーティング薄膜から金属、セラミック、ポリマー、バイオ材料など幅広い材料の機械的特性を評価できるという特長について説明。特にウルトラナノ領域のインデンテーション試験が可能なため、半導体分野での適用に有用とした。そのほか、Cu添加・Ti添加ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜などの機械的特性評価事例などを示した。

新型ナノインデンターについて説明するKempe氏

 

 その後、佐々木教授がセンター長を務める東京理科大学 トライボロジーセンターと佐々木研究室のトライボロジー試験機・分析機器の見学会とディスカッションが行われた。

装置見学のようす


 

kat 2026年2月10日 (火曜日)
kat

第11回固体潤滑シンポジウムが開催

1週 ago
第11回固体潤滑シンポジウムが開催

 日本トライボロジー学会の産学協同研究会である固体潤滑研究会(主査:東京科学大学 平田 敦氏)は昨年11月27日と28日の両日、東京都江東区の産業技術総合研究所 臨海副都心センターで、「第11回固体潤滑シンポジウム」を開催した。11年ぶりの開催となる本シンポジウムでは、固体潤滑剤のメーカーや、自動車や宇宙機器といったユーザー、アカデミアなどから、各日とも約80名の参加があった。
 

開催のようす

 

 初日となる27日には、平田主査が開会挨拶に立ち、固体潤滑研究会が固体潤滑の応用を発展させるため、固体潤滑機構の解明、新しい固体潤滑剤の研究開発、新しい分野での固体潤滑の応用など幅広い視点で調査研究を進めている会であり、年数回の研究会の開催や『固体潤滑ハンドブック』の編集・発行といった活動内容を紹介した。
 

挨拶する平田氏

 

 続いて、基調講演をはじめ、以下のとおり講演がなされた。

基調講演

「固体潤滑入門」梅原徳次氏(名古屋大学)…『固体潤滑ハンドブック』を紹介・引用しつつ、硬質のCNX膜の上に軟質で低せん断のトライボフィルムが形成されるような理想的な固体潤滑システムについて、さらには軟質金属薄膜の潤滑機構について解説した後、CNX膜の構造変化層による超低摩擦、摩擦界面その場評価による固体潤滑機構の解明についての事例紹介を行った。
 

基調講演を行う梅原氏

 

セッション「平面層状物質」

1)「平面層状物質の潤滑作用発現機構と流体との複合効果」柏谷 智氏(住友金属鉱山)…固体潤滑粉末は従来、添加剤と見なされてきたが、平面層状物質と油分の複合によって相乗効果を見出したことから、平面層状物質の潤滑作用発現機構とともに、流体との複合効果について紹介した。

2)「インターカレーション法によって合成した有機変性マイカの潤滑メカニズムと冷間鍛造用固体潤滑剤への応用」大下賢一郎氏(日本パーカライジング)…長鎖アルキルアンモニウムイオンでへき開面を修飾した有機変性マイカのトライボロジー特性と、分光光度学的に解析した潤滑メカニズム、さらには冷間鍛造用固体潤滑剤として適用した場合の諸性能について解説した。

3)「ナノサイズ二硫化モリブデン「DIC-MoS2」を添加剤として用いた潤滑アプリケーション」小寺史晃氏・シティ マストゥラ氏(DIC)…独自手法により合成した数百nmサイズの高アスペクト形状の二硫化モリブデン(DIC-MoS2)をエンジンオイル、グリース、固体潤滑剤などに添加した際の効果について紹介。DIC-MoS2が潤滑添加剤として耐摩耗性向上や摩擦低減に寄与する可能性を示した。

 

セッション「カーボン」

1)「固体潤滑剤としてのナノカーボン」平田 敦氏(東京科学大学)…フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェンというsp2混成軌道由来の代表的なナノカーボン材料について、それぞれのトライボロジー特性と潤滑のメカニズムについて概説したほか、ナノカーボンを潤滑剤として適用する際の付着性など、応用に向けての課題について示した。

2)「ta-C の摩擦により形成される固体潤滑性表面」加納 眞氏(Kano Consulting Office)…水素フリーDLC(ta-C)コーティングの歯車適用を目的とした基礎試験として、ta-Cと生分解性エステル油との組み合わせを用いて、三つの異なる条件で単体摩擦摩耗試験を実施した後のしゅう動面の状況や表面分析、トポグラフィーの変化を調べた結果として、ta-Cの機能性材料特性が超低摩擦および優れた耐摩耗性の主要因であることを示した。

3)「液相カーボンコート法の開発とトライボロジー分野における応用」郷田 隼氏(日本触媒)…微粒子に対しても極薄・均一なカーボンコートが可能な可溶性炭素材料と液相ナノカーボンコート技術を開発し、潤滑性や耐摩耗性、流動性の付与が可能となった。ここでは、シリカ球状粒子の転がり潤滑特性向上といったトライボロジー分野での応用例について紹介した。

セッション「高分子」

1)「高分子トライボマテリアルの研究動向と評価技術紹介」岩井善郎氏(福井大学)、神谷 周氏(大豊工業)…標記の研究動向を、トライボロジー会議予稿集を対象に調査し、ゴム、ポリマーブラシ、ハイドロゲルの研究が拡大し、樹脂材料はPTFEとPEEK、PA、UHMWPEとそれらの複合材料が多い結果を示した。また、固体潤滑剤とそれらを含有した樹脂材料の特性評価に関わる研究事例を樹脂材料の開発、固体潤滑の開発、新しい試験評価方法の観点から選択し紹介した。

2)「ポリイミド樹脂のトライボロジーとその応用」宮内卓也氏(デュポン・ジャパン)…スーパーエンプラの中でも最も優れた耐熱性、機械強度、電気的特性、耐環境特性、難燃性を有するポリイミド樹脂について、その歴史から始まり、その化学構造に起因する特徴とそれらを生かした、航空機部品や自動車部品、エレクトロニクス部品、一般産業部品などのトライボロジー応用事例について紹介した。

セッション「宇宙」

1)「高温・高真空下でのカーボン系硬質膜の低摩擦化」梅原徳次氏(名古屋大学)…耐熱性に優れるとされるa-C:B膜と耐真空性に優れるとされるa-C:H膜の摩擦特性の評価に加え、新たに提案したa-C:H:B膜の摩擦特性の評価、摩擦メカニズムの解明を行い、a-C:H:B膜が水素脱離を抑制し長寿命化することで宇宙環境におけるしゅう動面での使用に期待できると報告した。

2)「波動歯車装置における固体潤滑への取組みと粉体潤滑への挑戦」黒木潤一氏(ハーモニック・ドライブ・システムズ)…波動歯車装置の伝達効率を低下させる潤滑剤の撹拌抵抗という問題に対して、撹拌抵抗を抑制する固体潤滑としてMoS2粉体を用いて伝達効率を改善した事例を紹介。同粉体潤滑による宇宙用途(極低温環境)での可能性について示した。

3)「ロケットエンジンに欠かすことのできない固体潤滑剤」髙田仁志氏(宇宙航空研究開発機構)…極低温環境で高速回転が要求されるターボポンプ軸受などロケットエンジンにおける固体潤滑剤の役割や、宇宙開発で使用される固体潤滑剤の代表的な種類、シミュレーションによる性能予測が難しい固体潤滑剤を用いたトライボロジー要素に対する性能評価手法と運用などについて紹介した。

 2日目となる28日には、以下のとおり講演がなされた。

セッション「観察・分析技術」

1)「トライボ現象解明のための表面観察・分析技術」佐々木信也氏(東京理科大学)…トライボ表面は摩擦により機械的刺激を受けているため動的に変化していることから、本当の摩擦面の状態を知るにはIn-situあるいはオペランドと呼ばれるその場観察が必要とされる。ここでは、和周波発生分光分析(SFG)やラマン分光分析、周波数変調原子間力顕微鏡(FM-AFM)を活用した、摩擦面のその場観察事例を示した。
 

講演する佐々木氏

 

2)「各種分析法を用いたトライボロジー解析の実例」沼田俊充氏(日産アーク)…NOxガス吹き込みにより市販エンジンオイルを劣化させLC-MSによるオイル中の添加剤分析と摩擦試験後のトライボフィルムについてAFM、ラマン分光を用いて複合的に解析した事例を紹介した。LC-MSでは、各種添加剤の定性や含有量の変化を、AFMとラマン分光の複合解析では摩擦面突起部でのMoS2の面積率の算出による摩擦係数との関連性の評価が可能となると総括した。

セッション「シミュレーション技術」

1)「トライボ分子シミュレーションの概要と固体潤滑分野における適用例」鷲津仁志氏(兵庫県立大学)…分子シミュレーションによって解明されたグラファイトの低摩擦発現機構について、真実接触点でのグラフェンの熱回避運動や、グラフェンが移着片として存在しうる条件など低摩擦機構に関する研究成果について紹介した。そのほか、酸化グラフェンや高分子がグラフェンとは全く異なる摩擦機構を有し、全原子分子動力学では材料の違いによる摩擦発現の詳細を調べることができることなどを解説した。

セッション「鉄道」

1)「鉄道における固体潤滑剤の適用事例」久保田喜雄氏(鉄道総合技術研究所)…鉄道における固体潤滑剤の適用事例として路面制輪子・ブレーキライニングやパンタグラフすり板、車輪/レール間の潤滑剤、橋梁の支承、分岐器の床板の事例を紹介するとともに、路面調整子の開発や新幹線のブレーキ摩擦材に含まれる黒鉛の耐久性と摩擦係数の関係の調査、二硫化モリブデングリースによるトロリ線の摩耗低減といった、近年の研究開発動向を紹介した。

2)「車輪/レール接触境界の潤滑と摩擦制御」深貝晋也氏(鉄道総合技術研究所)…曲線区間では車輪フランジとレールゲージコーナーの摩擦で急速に摩耗することが、メンテナンス上の主要な課題となっているほか、急曲線区間では振動や騒音が発生する場合もあり、こうした状況に対処するため、車輪/レール接触部に潤滑剤や摩擦調整剤などを供給して摩擦の状態を制御する技術がある。ここでは、曲線区間の車輪とレールが接触する境界への潤滑や摩擦を制御する対策技術や鉄道総研での開発事例を紹介した。

セッション「テクスチャリング」

1)「新規固体潤滑材(ZnO、セリサイト)とテクスチャの相乗効果」宇佐美初彦氏(名城大学)…下地へのテクスチャ付与で固体潤滑剤の流出を抑制し摩耗を抑制しつつ低摩擦を維持できる可能性がある。特に無機系固体潤滑剤を金属素地に複合する際には化学的な結合が期待できないので、アンカー効果等による密着性向上に期待がかかる。ここでは、近年適用が検討されつつある酸化亜鉛(ZnO)やセリサイトといった無機系材料を軟質金属と複合させ、予めテクスチャを付与した金属素地上に成膜した表面の摩擦特性を評価した結果を報告した。

2)「往復しゅう動における凸テクスチャ上に成膜された軟質金属膜の耐食耐摩耗性改善」関 秀明氏(大同工業)…自動車タイミングチェーンの張力を維持しつつ振動を抑制する密着巻きしたゼンマイばね間の摩擦を利用し減衰力を得る機械式テンショナには、ばね表面には高い耐摩耗性と安定した摩擦力の維持が求められる。ここでは、ゼンマイばねのしゅう動面に凸テクスチャを形成し、その上に軟質金属の亜鉛を成膜した複合処理により、機械式テンショナの耐食性・耐摩耗性を向上できる可能性を示した。

3)「ボーナイトとテクスチャの相乗効果」佐藤知広氏(関西大学)…ボーナイトは銅鉄系の硫化物であり二硫化モリブデンのような固体潤滑特性を有し、かつ銅系合金の溶解時やアトマイズ時に合金化できる特徴を有する。ここでは、硫化物分散青銅合金に表面テクスチャを加えた際の相乗効果について紹介した。網目状に亜鉛をショットピーニングした後に錫をショットピーニングした試験片のしゅう動特性が、錫をショットピーニングしただけの試験片に比べ良好であったと報告した。

kat 2026年2月10日 (火曜日)
kat

新東Vセラックス、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの非酸化物系セラミックによるものづくりを開始

1週 ago
新東Vセラックス、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの非酸化物系セラミックによるものづくりを開始

 新東Vセラックス( https://vcerax.sinto.co.jp/ )は、従来のアルミナを中心とした酸化物系セラミックに加え、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウムなどの非酸化物系セラミックによるものづくりを開始した。

 セラミックは「素材づくり」における重要な材料であり、同社は、汎用性が高く、電気絶縁性、高硬度・耐摩耗性に優れるアルミナを主材種として、4mレベルの大型、長尺、1000分の1mmの公差に対応する高精度加工を特長として、超精密基準測定器やXYステージユニット、工作機械、産業機械の機械構造部品を製造してきた。一方、欧米の航空宇宙関連業界、医療関連分野、半導体製造関連で採用が進む非酸化物系セラミックに対しては、中空・複雑形状を特長としたものづくり、商品開発を進めている。

 取扱い材種の一つである窒化ケイ素は高強度・高硬度・高靭性・耐熱衝撃性に優れ、航空・宇宙分野部品で採用され、医療系への適応拡大も期待されている。窒化アルミは材料の持つ高熱伝導率と電気絶縁性を持ち、電子部品の放熱基板や半導体製造装置部品への拡大が期待される。

 

admin 2026年2月10日 (火曜日)
admin

高機能トライボ表面プロセス部会、第27回例会を東研サーモテックO・I・Cで開催

2週 4日 ago
高機能トライボ表面プロセス部会、第27回例会を東研サーモテックO・I・Cで開催

 表面技術協会 高機能トライボ表面プロセス部会(代表幹事:岐阜大学 上坂裕之氏)は昨年12月15日、大阪市東住吉区の東研サーモテック イノベーション事業部 オープン・イノベーション・センター(O・I・C)で、第27回例会を開催した。今回は、岐阜大学工学部附属プラズマ応用研究センターとの共催となり、第6回c-ARPプラズマセミナーとの合同開催となった。
 

開催のようす

 

 当日はまず、上坂代表幹事の開会挨拶に続いて、東研サーモテック イノベーション事業部長の髙橋 顕氏より、同社のコーティング事業とOIPの紹介がなされた。

 東研サーモテックは、1939年設立の金属熱処理およびドライコーティング(DLC・PVDコーティング)受託加工のリーディングカンパニーで、硬さを自由自在に操る金属熱処理では85年の歴史を持ち全従業員の86%が厚生労働省管轄の国家資格である金属熱処理技能士を取得している。また、DLCコーティングの売上は国内トップを占め、金属熱処理とDLCコーティングとで量産を手掛ける唯一の企業と言える。ここでは、1986年に治工具類へのTiNの加工に始まり、2000年代初頭からディーゼルエンジン部品をはじめとする自動車部品へのDLCの量産を手掛けるようになったドライコーティング事業の変遷について紹介。また、今後、電動化・EV化が進み表面改質の対象となる部品点数の減少が見込まれる中で、金属素材に新たな価値を付与するドライコーティング技術とそれらの関連技術をさらに進化すべく2024年にイノベーション事業部を立ち上げ、非自動車分野あるいは全く新しい分野へのチャレンジを開始したことを説明した。同社では、自動車メーカーや自動車部品メーカー向けのビジネスモデルである「サプライヤーチェーン型」から、企業が顧客やパートナーと連携してデータと技術を活用し相互に価値を創出し合う関係性・仕組みを作る「バリューネットワーク型」への拡張を呼びかけており、髙橋氏は、「ドライコーティングの研究開発(R&D)拠点として開設し将来的な技術リソース獲得と販路開拓を目指すオープン・イノベーション・センター(O・I・C)は、さまざまな業界の方々を招待して議論を深める共創の場なので、是非活用していただき、一緒に次世代の価値を創っていきたい」と呼び掛けた。
 

講演する髙橋氏

 

 その後、工事が完了したO・I・C第1期エリアとO・I・C第2期エリアの見学会が行われた。

 第1期エリアで参加者は、マイクロ波プラズマCVD方式でDLCコーティングの高硬度化と成膜速度向上を実現したアリオス製の成膜装置や、約10000HVという高硬度の多結晶ダイヤモンドコーティングを大面積に高密着で成膜できる熱フィラメント(HF)CVD方式の新明和工業製の成膜装置「SPC 300」(写真)を見学した。
 

第1期エリアの見学会のようす

 

 また、DLCコーティングなどの先行試作や研究開発用として各々思想の異なる成膜装置を導入したO・I・C第2期エリアでは、CARC+蒸着源など最新プロセスを導入したIHIハウザーテクノコーティング製の成膜装置や、ユーザー仕様に基づく独自被膜を成膜できるため、実験装置として有用な独立型3列円筒カソードを有するPLATIT製の成膜装置、また昨年10月に導入したばかりの四つの蒸発源が搭載可能で、緻密な膜が成膜できるHIPiMSや、面粗度が良い厚膜の成膜が可能なスーパーファインカソードやカーボンARC蒸発源などを自由に搭載でき、さまざまな研究開発が量産機ベースの装置で検証可能になる神戸製鋼所製の成膜装置「AIP-S40型HYBRID(特殊仕様)」(写真)を見学した。
 

第2期エリアの見学会のようす

 

 O・I・Cの見学会に続いては、以下のとおり講演が行われた。

「大気圧非平衡高周波プラズマ処理による金属・樹脂異材接合の実現」竹中弘祐氏(大阪大学 接合科学研究所)…大気圧非平衡高周波プラズマジェットを用いた金属異材直接接合における、プラズマ照射処理が接合強度に与える影響を調べた。金属材料へのプラズマ照射の効果としては、酸化被膜が形成され、金属材料の表面の極性が高くなり分子間力が増大するものの、SUS304は表面に酸化物層を形成し樹脂との接合強度が増すが、A5052では表面に生成した水酸化物、MgOが脆弱な被膜で接合に悪影響を及ぼす可能性があるなど、金属の種類によって表面の酸化挙動に違いがあり接合に影響することから、金属材料に対する最適な表面処理を施すことが重要、とした。また、有機材料へのプラズマ照射の効果としては、新生面の露出と極性官能基の付与がある。せん断強度が10倍以上違っていても極性官能基の付与量が同じで、プラズマ密度・処理温度が異なっていてもエッチング深さが同じであれば同等の接合強度が得られたことから、新生面の露出が接合強度を増大させる可能性を示した。

「環境に応じた低摩擦·耐久性薄膜設計に関する研究」裵 水旼氏(岐阜大学 工学部附属プラズマ応用研究センター)…表題のテーマに関連した研究として、まずCr添加DLC膜によるエンジン低摩擦化に関する研究を紹介、DLC膜にMoDTCと化学的親和性の高いCrを添加することによる摩擦低減効果について、摩擦試験とトライボフィルムの分析を実施、トライボケミカルメカニズムの考察を行った。また、高湿度・Si-DLCによるアルミニウムの低摩擦化の研究では、高湿度の条件下でオイルベース潤滑剤の代替として機能するとされるSi-DLCについて、水蒸気環境下における摩擦特性を調べて報告した。さらに、マクロスケール摩耗低減を指向した多層膜の設計に関する研究では、弾性プロセスを通じて接触エネルギーを吸収し減衰させる多層膜として、低摩擦・耐摩耗性を担うDLCと鋼への強い密着性などを担うCrの対を積層させた多層膜を設計、自製のマクロトライボメーターで摩擦試験を実施し、多層膜のトライボロジー特性を検証した。
 
 

講演会の質疑応答のようす

 

kat 2026年1月30日 (金曜日)
kat

新東工業、レーザー加工機の販売を強化

2週 4日 ago
新東工業、レーザー加工機の販売を強化

 新東工業( https://www.sinto.co.jp/ )は、パートナーシップ関係にあるレーザーラックス社(本社:カナダ、ザビエル・ゴッドマイヤーCEO)と、昨年開設した「レーザーソリューションラボ」(愛知県、大治事業所)を拠点に、高出力による圧倒的な速さ・強さを備えたレーザーラックス製レーザー加工機の販売を強化する。

ザビエル社長とレーザー加工機

 新東工業は、2021年からレーザーラックス社とパートナーシップ関係にあり、レーザーヘッドやオーダーメイドの加工機を販売している。またレーザーを使った表面処理の用途の多様化を見据え、昨年秋にはレーザーソリューションラボを開設し、レーザークリーニング、テクスチャリング、マーキング、バッテリー用溶接を中心に、100ワットから500ワットまでの出力が異なるレーザー加工機5台とレーザー溶接機1台を揃え、テスト加工から量産の受託加工まで包括的な対応を可能にした。さらに、これまで自動車業界を中心に事業を拡大してきたレーザーラックス社が、2025年、医療機器、半導体、電子部品、ガラスやセラミック等の繊細な材料への加工を必要とする分野へ足掛かりを得たことにより、新東工業も医療、半導体・電子等の成長市場への事業拡大が可能になった。

 両社はレーザーソリューションラボをアジアにおけるレーザー事業のハブ拠点として位置づけ、テスト加工や受託加工を通して、顧客に最適なプロセスや技術といった付加価値を提案してまいく。

 レーザーラックス社は、2010年、レーザーによるマイクロマシニングなどに関する修士号を持つザビエルCEOと、同じくレーザーなどに関する博士号を持つアレックス・フレーザーCTOにより設立された。設立当初はアルミインゴットへのレーザーマーキングなど自動車業界を中心に事業を拡大し、アプリケーションもマーキングからクリーニング、テクスチャリングへと拡大させながら着実に業績を伸ばしてきた。近年においては、EV向けバッテリー製造におけるバッテリーセルやバスバーへのレーザー溶接やレーザークリーニングなどにより一段と業績を押し上げている。

 さらに、2025年にはシリコンバレーに本社を構え、UVレーザーならびに固体レーザーを得意とするDPSS Lasers Inc.を買収したことにより、医療機器、半導体、電子部品等に技術領域の拡大を進めている。

 大手EV車メーカーであるテスラ社にも納入実績を持ち、ものづくりの発展に大きく寄与する新たな技術として、今後さらなる技術の拡がりを目指す。

admin 2026年1月30日 (金曜日)
admin

富士経済、ペロブスカイト太陽電池の主要部材市場調査結果を発表

2週 4日 ago
富士経済、ペロブスカイト太陽電池の主要部材市場調査結果を発表

 富士経済は、次世代太陽電池の本命として注目され、社会実装が近づいているペロブスカイト太陽電池の主要部材について調査した。その結果を「ペロブスカイト太陽電池の主要部材・材料の市場とサプライチェーン動向」( https://www.fuji-keizai.co.jp/report/detail.html?code=112508906 )にまとめた。

 この調査では、ペロブスカイト太陽電池向けの部材7品目(バリアフィルム、TCO基板、ペロブスカイト材、電子輸送材、正孔輸送材、背面電極材、封止材)を対象とし、市場動向や参入企業の開発動向、課題などについて分析した。

 主要部材のうち、バリアフィルムはフィルム基板型にのみ使用され、その他はガラス基板型、フィルム基板型双方で使用される。ペロブスカイト太陽電池の普及に従って市場が成長するため、市場の立ち上がりは2025年以降、本格的な成長は2030年以降となり、単価の高いバリアフィルムやTCO基板が大きく拡大するとみられる。

 将来的には価格の高い部材のコストダウンが予想されることから、市場は出荷数量ベースと比べると緩やかな伸びになるとみられる。

 バリアフィルムは、極めて高い防水・防湿性能を持つ保護フィルムであり、フィルム基板型PSCにおいては、湿気や酸素の侵入を防止する。

 現状は高コストが課題の一つである。一般的に多積層であるほどバリア性が高まるが、比例してコスト増となるため材料や構成・製造方法などの最適化が必要とされる。将来的には需要の高まりに応じて現状の半額程度まで価格が下がると期待される。

 TCO基板(透明導電膜付き基板)は、基材(ガラス/フィルム)上にFTO(フッ素ドープ酸化スズ)膜やITO(酸化インジウムスズ)膜などをコーティングした導電性を持つ基板であり、光入射面側の電極として用いられる。透明導電膜の性能はPSCの変換効率や耐久性に直結するため、高い品質が求められる。

 中でもITOの原材料であるインジウムは希少金属の一種であり、高価かつ安定供給に懸念がある。ディスプレイや半導体アプリケーションの需要増加もあってインジウム価格は高値が続いており、国内外で代替材料が模索されている。各素材には課題があるものの、安価な代替材料の研究が進むことなどでTCO基板のコストダウンが期待される。

admin 2026年1月30日 (金曜日)
admin

bmt主催 講演会・交流会「カーボンニュートラル実現に向けた歯車システムとトライボロジー」

1ヶ月 1週 ago
bmt主催 講演会・交流会「カーボンニュートラル実現に向けた歯車システムとトライボロジー」

 メカニカル・テック社 bmtベアリング&モーション・テック編集部は2026年3月4日、東京都・丸の内で講演会・交流会「カーボンニュートラル実現に向けた歯車システムとトライボロジー」を開催します。

 本講演会では、電動車や建設機械など、カーボンニュートラル(CN)実現に向けて需要が高まる機械システムにおいても、引き続き重要な役割を果たすと見られる歯車システムに関する技術課題と、軸受や潤滑油剤といったトライボロジー技術を中心とするソリューションについて、第一線でご活躍の講師の方々にご講演をいただきます。新分野でのビジネスのヒントとなるよう、人材交流の場としてご活用いただけるよう、皆様のご参加をお待ちしております。

主催:株式会社メカニカル・テック社 『bmtベアリング&モーション・テック』編集部

コーディネーター:東京理科大学 教授 佐々木 信也 氏

開催日時:2025年3月4日(水)

講演会:13時~17時(開場:12時)

交流会:17時~19時

会場:TKPガーデンシティPREMIUM東京駅丸の内中央 (東京都千代田区丸の内1-9-1 丸の内中央ビル 12階)ホール12D 交流会会場:同ホール12F
https://www.kashikaigishitsu.net/facilitys/gcp-tokyo-marunouchi-chuo/access/

参加費用:37, 400円(税込み、資料代、交流会参加費含む)

プログラム(予定) ※各講演後に5分間の質疑応答を予定しております

・13:00~13:40「カーボンニュートラル実現に向けた歯車システムとトライボロジー」
東京理科大学 工学部 機械工学科 教授 佐々木 信也 氏

・13:45~14:25「カーボンニュートラル実現に向けたリマン事業とリマンプロセス」
コマツ 部品・リマン推進本部 本部長 櫻井 直之氏

・14:30~14:45トライボロジー関連の計測評価メーカーによるショートプレゼン①
株式会社東陽テクニカ ワン・テクノロジーズ・カンパニー カンパニープレジデント
阿部 泰尚 氏

・14:50~15:05休憩

・15:05~15:20トライボロジー関連の計測評価メーカーによるショートプレゼン②
 Rtec-Instruments株式会社 代表取締役 國井 卓人 氏

・15:25~16:05「E-Axleにおける要求性能と試験・評価技術」
ニデック株式会社 製品技術研究所 研究第3部長 花野 雅昭 氏

・16:10~16:50「電動車用超低粘度トランスアクスルフルードの開発」
トヨタ自動車株式会社 電動化・環境材料技術部 電動化材料開発室 主任 白石 有 氏

・17:00~19:00 交流会

【お申し込み方法】

以下の受付フォームよりお申し込みください。

お申込みはこちらよりお願いいたします(googleフォーム)。 
問い合わせ先
株式会社メカニカル・テック社 TEL:03-5829-6597 E-Mail:info@mechanical-tech.jp admin 2026年1月6日 (火曜日)
admin

メカニカル・サーフェス・テック2025年12月号:特集「DLCコーティングの最新技術動向」キーテク特集「ダイヤモンドコーティング」12月25日発行!

1ヶ月 3週 ago
メカニカル・サーフェス・テック2025年12月号:特集「DLCコーティングの最新技術動向」キーテク特集「ダイヤモンドコーティング」12月25日発行!

 表面改質&表面試験・評価技術の情報誌「メカニカル・サーフェス・テック」の2025年12月号:特集「DLCコーティングの最新技術動向」キーテク特集「ダイヤモンドコーティング」が当社より12月25日に発行される。

 今回の特集「DLCコーティングの最新技術動向」では、DLCの成膜技術、材料設計、評価・実装の視点から、DLCコーティングの現在地と今後の展開を概観する。

 また、キーテク特集「ダイヤモンドコーティング」においては、装置技術と周辺プロセスを組み合わせた最新動向から、ダイヤモンドコーティングの実装価値を整理する。

特集:DLCコーティングの最新技術動向

◇SiドープDLCと機能化コポリマーによる次世代潤滑システムの開発・・・ダウ・ケミカル日本 大宮 尊

◇DLCコーティングと銅のトライボロジー特性・・・ナノコート・ティーエス 熊谷 泰、坂下 武雄

◇共創によるDLCコーティングの市場拡大への取り組み・・・東研サーモテック 髙橋 顕 氏に聞く

◇新しい産業分野におけるDLCコーティングの技術と適用・・・日本コーティングセンター 角谷 行崇 氏、佐藤 剛 氏、松本 亨 氏に聞く

キーテク特集:ダイヤモンドコーティング

◇CVDダイヤモンドコーティング技術および周辺技術による適用展開・・・新明和工業 岡本 浩一 氏、浅井 剛 氏に聞く

◇各種文献に見るダイヤモンドコーティング適用の可能性・・・編集部

連載

注目技術:第84回 計測試験技術を駆使した新しいバイオマスプラスチック材の車体部品への適用促進技術の構築・・・コニカミノルタジャパン、日本食品化工、新東科学、ハイロックス

トップインタビュー No.052・・・TPR 鮎澤 紀昭 氏に聞く

酒飲み世界紀行:第12回 カリフォルニアワイン編:Napa Valleyの休日・・・横浜国立大学 梅澤 修

トピックス

第18回岩木賞に、TOTO、宇都宮大学、コニカミノルタジャパン・日本食品化工・新東科学・ハイロックスが受賞

東研サーモテック、JMS 2025 のリバースピッチで共創を呼び掛け

全鍍連、第63回全国大会を開催

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admin 2025年12月23日 (火曜日)
admin

トライボコーティング技術研究会、令和7年度第3回研究会を開催

2ヶ月 ago
トライボコーティング技術研究会、令和7年度第3回研究会を開催

 トライボコーティング技術研究会(会長:理化学研究所 大森 整 主任研究員)は12月12日、東京都江東区の東京都立産業技術研究センターで「令和7年度 第3回トライボコーティング技術研究会」を開催した。

令和7年度第3回研究会のようす

 

 当日は、大森会長の開会挨拶に続いて、以下のとおり講演がなされた。

 「微粒子ピーニングα処理による形状保持型表面改質の検討」久保佑太氏(不二製作所)…摺動部材や金型の摩擦摩耗、焼付きといった表面課題に対して表面改質と形状維持の両立を目的に微粒子ピーニング(FPP)が適用されているが、精密部品に求められる形状維持が困難という課題に対して、FPPより微細な粒径20μm以下の極小ショット材を圧縮エアで高速噴射して金属表面を改質する独自のα処理を適用し、その表面改質効果と実用性を検討した。α処理は金属表層3μmに超微細粒組織を形成し硬度向上と圧縮残留応力の付与が可能で、改質層深さは10μmと浅く形状変化を抑制しやすいことを示した。トライボロジー特性の評価では、μmオーダーの微細ディンプルが潤滑油の保持と摩耗分散に寄与し、焼付きと相手攻撃性の低減に有効であることが確認。さらに、高負荷条件下で使用されるボタンダイ金型への適用事例では、エッジ部のチッピングを抑制し、未処理品に比べ部品寿命が約4倍に向上することを示した。

講演する久保氏

 

「表面設計コンソーシアムの活動と複合処理でできること」髙木眞一氏(神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC))…表面設計コンソーシアムは、不二WPCなど神奈川県に拠点を置く企業やKISTECなどが協働して、機械部品や金型等のメーカーやユーザーが抱える耐久性に関する技術課題やニーズに対して、最適な表面設計ソリューションを提供することを業態とする共同体。単一の技術では対応できない表面に関わるニーズに対して、専門知識を有する技術者が集まって、計測・評価を経た根拠のある合理的で最適な表面設計ソリューションを開発・提供することを目的としている。本講演では、表面に優れた機能を与えるには、ベース素材の材料設計技術や表面改質技術、その上に被覆する薄膜制御技術、さらには最表面のテクスチャ制御技術までをトータルに高度なレベルで協調させる「設計」が必要であるとする表面設計の考え方について説明したほか、本コンソーシアムが提供可能な複合表面処理事例として、WPC処理とTiN系コーティングの組み合わせによって高速加工用パンチの耐摩耗性と欠け対策を両立できた事例など数例を紹介した。

講演する髙木氏

 

 次回の通算第160回研究会は、埼玉県和光市の理化学研究所 和光研究所で来年2月20日、「第28回トライボコーティングの現状と将来シンポジウム」として開催される予定。問い合わせ先は以下のとおり。

トライボコーティング技術研究会 シンポジウム事務局
TEL:03-5918-7613 FAX:03-5918-7624
E-mail:tribo@e-shg.net URL:http://www.tribocoati.st

kat 2025年12月14日 (日曜日)
kat

全鍍連、第63回全国大会を開催

2ヶ月 ago
全鍍連、第63回全国大会を開催

 全国鍍金工業組合連合会(全鍍連)は11月25日、東京都港区の機械振興会館で「第63回全国大会」を開催した。

開催のようす

 

 当日はまず、上村芳久副会長(ユーミック社長)が開会宣言を述べた後、国歌斉唱ならびに業界関係物故者への黙祷が行われた。続いて、主催者を代表して山﨑慎介会長(東新工業社長)が挨拶に立ち、全国大会が第63回を迎えることができたことに対する先達の努力と隣席の関係各位の不断の努力に対し感謝の意を伝えるとともに、本会の全国めっき技術コンクールへの厚生労働省をはじめとする各団体からの毎年の表彰に関する下付やプレゼンターの隣席などに謝辞を述べ、「後ほど各賞の発表があるが、各賞を受賞した皆様の努力、平素の改善の取り組み、このことこそが日本のめっき業、めっき業界の技能向上につながっている。本年も約430件の応募があったが、近年は応募作も非常に高度化し、甲乙つけがたく審査も大変難航している。審査にあたり審査委員長の東京都立産業技術研究センター フェローの小坂幸夫先生の毎年のご尽力に感謝申し上げるとともに、審査員の皆様の東京・大阪での審査に対しお礼申し上げたい。また、応募された皆様の存在や、応募した社員・職人を率いて応募への協力をいただいた事業者の存在、このことこそが世界に冠たる日本のものづくり、世界に冠たるめっき業を支える礎である。本日ここに臨席の各賞を受賞された皆様の努力、各社の取り組みに対し、改めて深く敬意を表したい。また本年秋の、めっき業界から国家顕彰の栄誉に浴された方が2名おられるほか、「現代の名工」を授与された方もおられる。業界にとって大変に誇らしい」 と語った。

挨拶する山﨑会長

 

 続いての表彰式では、組合功労役員表彰、優良環境事業所認定表彰、全国めっき技術コンクール表彰、特別表彰プレミアムアワード、卓越した技能者表彰が行われた。

 組合功労役員表彰では、群馬県鍍金工業組合・入江邦成氏(光陽)、神奈川県メッキ工業組合・石田幸兒氏(ブラザー)および岩瀬洋一郎氏(イワセ)、長野県鍍金工業組合・荒井和章氏(信光工業)、静岡県鍍金工業組合・塩原啓喜氏(セイシンパーカー)、石川県鍍金工業組合・西 章洋氏(小松電気化学工業)、兵庫県鍍金工業組合・古塚恵太郎氏(近畿防蝕)、中国表面処理工業組合・吉田忠弘氏(ワイエスデー)、四国鍍金工業組合・野村俊孝氏(中井メッキ工業所)の9名が表彰された。また、組合事務局優秀専従者表彰では兵庫県鍍金工業組合・大竹由佳氏が表彰された。

組合功労役員表彰および組合事務局優秀専従者表彰

 

 優良環境事業所表彰では、薄衣電解工業 北上工場(東北・北海道)、イワセ(神奈川)、平塚電化工業(神奈川)、ブラザー(神奈川)、梅田製作所(東京)、常木鍍金工業(東京)、東京協栄(東京)、力石化工(長野)、ミタカ電機株式会社(愛知)、ユニゾーン 本社工場(富山)、ユニゾーン 第8工場(富山)、清川メッキ工業 ナノテクノロジー開発センター(福井)、FCM(大阪)、FCM 富山工場(大阪)、オテック(大阪)、センショー 南津守工場(大阪)、太陽電鍍工業(大阪)、東和理研(大阪)、トクシュ技研(大阪)、柿原工業(中国)、日水電気化学工業(九州)、平井鍍金工業(九州)の22事業所が認定され、表彰された(認定期間は2026年1月1日より5年間)。

優良環境事業所表彰


 全国めっき技術コンクールではまた、 研磨-装飾クロムめっき部門において旭産業の久保・長沼チーム、装飾クロムめっき部門において吉崎メッキ化工所の浅見浩氏、亜鉛めっき部門において武田鍍金工業所の八束・須見チーム、 無電解ニッケルめっき部門において九州電化の川添佑典氏、 硬質クロムめっき部門においてはコダマの松谷有樹氏が、それぞれ厚生労働大臣賞を受賞した。

厚生労働大臣賞表彰

 

 コンクールの厚生労働大臣賞の受賞数に応じて特別に表彰を行う「プレミアムアワード」では、旭産業が表彰された。

プレミアムアワード

 

 さらに、卓越した技能者表彰については、本年11月10日に本年度「現代の名工(卓越した技能者)」として表彰された東新工業の西村秀幸氏に対し、山﨑会長が賞状を授与した。
 

卓越した技能者表彰

 

 その後、議事が行われ、議長を務めた山﨑会長より第63回全国大会宣言(スローガン)「共に挑戦、輝き続ける未来へ」が提案され、満場の拍手をもって採択された。原材料費・エネルギーコストの高騰や人材・後継者不足、化学物質管理への対応など、めっき業界の抱える諸課題に真摯に取り組み、業界全体が団結して挑戦を続け、輝き続ける未来を切り開いていくことが宣言された。

 続いて、栗原敏郎元会長、山田登三雄元会長、刈宿充久元会長、神谷 篤前会長の発声で万歳三唱を行った後、入内島正悟副会長の挨拶で第63回全国大会は閉会した。

万歳三唱のようす

 

kat 2025年12月14日 (日曜日)
kat

日本溶接協会、表面処理技術セミナーの応用編を開催

2ヶ月 ago
日本溶接協会、表面処理技術セミナーの応用編を開催

 日本溶接協会の表面改質技術研究委員会は12月8日、東京都千代田区の日本溶接協会 溶接会館 2階ホールで対面開催とオンライン開催からなるハイブリッド方式により、「表面処理技術セミナー(応用編)」を開催した。当日は以下の講演が行われた。

セミナーのもよう

「主たる表面処理法の比較とまとめ」仁平宜弘氏(仁平技術士事務所)…表面処理の主要手法を改質形態・温度・材料適性の観点から体系的に整理した。洗浄・研磨から被覆、拡散、表面熱処理までを比較し、残留応力が密着性や欠陥発生に大きく影響する点を示した。また、TiN、CVD膜、浸炭・窒化などは処理温度と硬化層組織の違いが機能に直結し、PVD/CVDでは付きまわり性・膜質・密着性の差異を解説した。最後に材料・形状・変形リスクを踏まえた処理選定指針を提示した。

「PVD、CVDによる硬質膜の摩擦摩耗特性と密着性評価法」仁平宜弘氏(仁平技術士事務所)…PVD・CVD硬質膜の摩擦摩耗特性と密着性評価を整理した。TiNを基軸とした膜種の多様化と用途適性を示し、摩擦試験では相手材凝着や環境条件が膜挙動に大きく影響する点を説明した。DLCは低摩擦で環境依存が小さいことが強調された。密着性評価ではスクラッチ試験によりLc値を判断し、膜厚・基材硬さ・膜種ごとの破壊形態の違いを解説した。実用上、評価法選定と膜構造の理解が重要とされた。

講演する仁平氏

「DLC 膜 応用編、PVD による Cr 系膜 応用編」熊谷 泰氏(ナノコート・ティーエス)…DLC膜とCr系PVD膜の特性と応用を中心に解説した。DLC膜は固体潤滑性、耐摩耗性、耐凝着性、耐食性、赤外透過性、電気特性など多機能性を備え、下地Cr系層による膜構造制御が重要とされた。モビリティ部品、切削・塑性加工工具、再生可能エネルギー、民生・医療など幅広い分野で実用化され、ピストンピンでは焼付き防止と混合潤滑領域拡大が示された。一方、Cr系PVD膜はプラスチック成形金型の離型性向上、型汚れ抑制、耐食・耐摩耗性付与に有効で、FIB断面観察により組織制御の重要性が示された。DLCとCr系膜はいずれも成形・加工分野の課題解決に寄与する技術であるとした。

講演する熊谷氏

「プラズマ窒化 応用編/高周波焼入れ 応用編」大沼一平氏(日本電子工業)…高周波焼入れとプラズマ窒化の特徴と応用が整理された。高周波焼入れでは誘導加熱による急速加熱・急冷が可能で、表面に大きな圧縮残留応力が付与され高い耐摩耗性・疲労強度が得られることが示された。また、デジタルツインや金属3Dプリンタを用いたコイル設計により、変形抑制や冷却効率向上など最新の高度化事例が紹介された。プラズマ窒化ではイオン衝撃による表面清浄化と化合物層制御が特徴で、化合物層厚さや粗さをガス組成で調整可能である。さらにプラズマ窒化とPVDを組み合わせた複合表面改質により、TiNやDLC-Si膜の密着性が約2倍向上する事例が示され、金型・工具の高性能化に有効であるとした。

「プラズマによる表面処理(応用編)」節原裕一氏(大阪大学)…大面積プラズマ源の開発から酸化物半導体TFT形成、異種材料接合まで、多様な応用へ展開するプラズマ制御技術が紹介された。低インダクタンスアンテナを用いた高周波ICPは低ダメージ・高密度のプラズマ生成を可能とし、メートル級基板に対して均一なプロセスを実現する。また、a-IGZO TFTでは、プラズマ支援スパッタとOHラジカルを利用した低温アニールにより、従来の熱処理を用いずに移動度40cm2cm2/Vs級の高性能を達成した事例を示した。さらに大気圧非平衡プラズマジェットによる高密度ラジカル供給技術や、有機–金属の異材接合技術も紹介し、プラズマが材料改質とデバイスプロセス革新の基盤技術となることが示された。

「ガス窒化・ガス浸炭 応用編(複合処理など)、プラズマCVDによるTi系膜 応用編」木立 徹氏(オリエンタルエンヂニアリング)…ガス窒化・浸硫窒化およびガス浸炭、さらにPCVDによるTi系膜の特徴と応用を整理した。窒化ポテンシャルKNを水素センサで精密制御することで、化合物層構成や拡散層深さを安定化でき、窒化+酸化による耐食性向上も示された。ガス浸炭では滴注式を用いたCO2排出削減と品質維持が確認された。PCVDではガス原料により付きまわり性と密着性に優れ、欠陥の少ないTiN/TiAlN/TiAlBN多層膜を形成できる点が特徴である。摩擦・耐酸化・耐溶損試験ではPCVD膜がPVD膜を上回る性能を示し、冷間鍛造金型やアルミダイカスト金型への適用で寿命向上効果が報告された。

「溶射(応用編)」和田哲義氏(エリコンジャパン)…溶射技術の原理から産業応用までを体系的に整理した。溶射は材料を溶融・加速して基材へ衝突・固化させる表面改質法であり、ラメラ構造・物理的結合・気孔を特徴とする。前処理、溶射、後処理、品質管理を組み合わせる総合プロセスであり、粉末フレーム、アーク、プラズマ、HVOF、減圧プラズマなど多様な方式が用途に応じて使い分けられる。材料は金属・サーメット・セラミックからアブレーダブルまで幅広い。応用は航空・発電・自動車・製鉄・紙パルプ・印刷・半導体など多岐にわたり、耐摩耗・耐食・遮熱・隙間調整などの課題解決に寄与する。

admin 2025年12月11日 (木曜日)
admin

第18回岩木賞に、TOTO、宇都宮大学、コニカミノルタジャパン・日本食品化工・新東科学・ハイロックスが受賞

2ヶ月 3週 ago
第18回岩木賞に、TOTO、宇都宮大学、コニカミノルタジャパン・日本食品化工・新東科学・ハイロックスが受賞

 トライボコーティング技術研究会、未来生産科学研究所(FPS)などからなる岩木賞審査委員会は、「第18回岩木トライボコーティングネットワークアワード(岩木賞)」を発表した。岩木賞は、表面改質、トライボコーティング分野で著しい業績を上げた個人、法人、団体を顕彰するもので、当該分野で多くの功績を残した故 岩木正哉博士(理化学研究所 元主任研究員、トライボコーティング技術研究会 前会長)の偉業をたたえ、2008年度より創設されたもの。今回から新たに、環境に配慮し、省エネルギー化、省資源化、代替資源化や地球温暖化防止につながるトライボコーティング技術を表彰対象とする「環境賞」が新設された。

 18回目となる今回は、TOTOが業績名「水垢汚れを抑止する DLCコーティング技術とそれによる浴室鏡の開発」により大賞に輝いた。また、宇都宮大学の鄒 艶華氏が業績名「磁気研磨法による微細複雑形状部品の表面仕上げ技術の開発」により優秀賞を、コニカミノルタジャパン・日本食品化工・新東科学・ハイロックスが業績名「計測試験技術を駆使した新しいバイオマスプラスチック材の車体部品への適用促進技術の構築」により第1回目となる環境賞を共同受賞した。

大賞「水垢汚れを抑止する DLCコーティング技術とそれによる浴室鏡の開発」

 水道水に含まれるケイ酸は、鏡の表面で脱水縮合し、鏡の主成分である酸化ケイ素と一体化して水垢となる。水垢が堆積すると、鏡が白い鱗状の汚れで覆われ、視認性低下を引き起す。水垢の付着・体積による問題に対し同社は、浴室鏡に10nmの極薄膜のダイヤモンドライクカーボン(DLC)をコーティングする技術を開発、この薄さにより透光性を維持したまま水垢の固着を防ぐことが可能となり、簡単な清掃で鏡の映り込みを回復させる機能を実現した。DLCコート鏡の生産においては、高密度プラズマ発生器と高電圧直流電源を組み合わせた専用の装置を開発し、最大2mの大判鏡にも高速で成膜できる生産体制を構築した。同社ではこれまで累計200万枚のDLCコート鏡の生産・販売を達成しており、DLCの民生分野への用途拡大に貢献した。その技術の新規性と市場性などが評価されての大賞の受賞となった。

優秀賞「磁気研磨法による微細複雑形状部品の表面仕上げ技術の開発」

 半導体製造装置用の部品など様々な分野で微細複雑形状部品を必要とする製品が増えており、それに伴い微細複雑形状部品をナノレベルかつ高効率に仕上げる精密加工技術が求められている。しかし従来の研磨技術では複雑形状の隅々まで研磨が行き届かず、十分な精密仕上げが困難という課題がある。そこで鄒氏は、新たに変動磁場を利用した磁気研磨法を開発。交番磁場中における磁気研磨スラリーのダイナミックな挙動を利用し、微細複雑形状部品の表面を効率的に仕上げることが可能なほか、磁気研磨スラリーにはミクロンサイズの磁性粒子を用いるため部品表面にダメージを与えることなく、ナノレベルの仕上げを実現できる。半導体部品や3D造形した複雑微細部品の精度向上に寄与する高精度表面仕上げが可能になることが期待されて優秀賞の受賞となった。

環境賞「計測試験技術を駆使した新しいバイオマスプラスチック材の車体部品への適用促進技術の構築」

 自動車のCO2削減を目的に軽量化のための部品の樹脂化が進展、特に内装部品においてはタルク強化ポリプロピレン(PP)樹脂が適用されているが、使用時の引っかきや擦れに伴う傷が目立ちやすい「白化現象」が問題となっている。これに対し、日本食品化工は、でん粉70%含有バイオマスプラスチック「スタークロス 70PPi」を開発、プラスチック使用量の削減に加えて、鉛筆硬度試験の結果などからタルク強化PPよりも耐傷付き性が高く白化しにくいことが確認されている。しかし鉛筆硬度試験のみでは定量的評価手法とは言い難いため、PP単独、タルク強化PP、スタークロス 70PPiの3種サンプルに対し、新東科学の摩擦摩耗試験機で摩擦摩耗試験・鉛筆硬度試験を実施し、コニカミノルタの分光測色計および二次元色彩輝度計を用いて上記試験により傷が付いた箇所の見え方を数値化して、比較評価した。また、新東科学の摩擦摩耗試験機でスクラッチ試験を実施しスクラッチ痕の状態などをハイロックスのデジタルマイクロスコープで比較評価し、白化しにくいというスタークロス 70PPiの特性が確認された。各社の知見を結集して最適な評価方法の提案を実現したことの新規性や独創性が評価され、環境賞の受賞となったもの。

 第18回岩木賞の贈呈式と受賞業績の記念講演は、2026年2月20日に埼玉県和光市の理化学研究所 和光本所で開催される「第28回『トライボコーティングの現状と将来』シンポジウム」(通算160回研究会)で行われる予定。
 

kat 2025年11月26日 (水曜日)
kat

東研サーモテック、JMS 2025のリバースピッチで共創を呼び掛け

3ヶ月 ago
東研サーモテック、JMS 2025のリバースピッチで共創を呼び掛け

 東研サーモテックの川嵜隆司社長は10月31日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催された「Japan Mobility Show(JMS)2025」のネットワーキングプログラムである、日本自動車部品工業会(部工会)加盟企業による10分間のリバースピッチに登壇、同社の強みと国内トップシェアのダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティングの技術について説明しつつ、スタートアップ企業などとの共創を呼び掛けた。
 

リバースピッチに登壇する東研サーモテック・川嵜社長

 

 部工会オープンイノベーション(OI)研究会では、会員企業がOI活用によって外へと踏み出し新たな事業創出に向けて取り組むことを支援することで、さらなるサプライチェーンの強靭化を目指している。JMS 2025におけるリバースピッチは、部工会加盟企業のうちビジネス共創に挑む企業が、共創テーマについて発表するもの。

 東研サーモテックは1909年創業、1939年設立の金属熱処理とドライコーティングの専門業者で、硬さを自由自在に操る金属熱処理では85年の歴史を持ち全従業員の86%が厚生労働省管轄の国家資格である金属熱処理技能士を取得している。また、DLCコーティングの売上は国内トップを占め、金属熱処理とDLCコーティングとで量産を手掛ける唯一の企業と言える。DLCコーティングはグラファイト構造とダイヤモンド構造とのアモルファス構造を呈する炭素系被膜だが、同社はユーザーのニーズに合わせて成膜条件をコントロールすることで、グラファイト寄りからダイヤモンド寄りまで、さまざまなDLCコーティングを成膜する技術・ノウハウを有する。

 硬度が2000HV~(鋼の10倍以上)、膜厚が2μm以下(札の1/50)、摩擦係数が0.15程度と潤滑油なしでの良好な滑りが得られることから、これまでDLCコーティングが活躍してきた分野は主に硬い、薄い、滑るという3分野で、設計担当が困ったときにDLCコーティングが重宝されてきた経緯がある。自動車のダウンサイジングと部品にかかる負荷の増大という背反する二つの要求を両立するのにDLCコーティングが利用されることが多い。例えばディーゼルエンジンのインジェクターでは、小指の上に象が載るくらいの大きな圧力がかかる部品のため、金属熱処理とDLCコーティングによって、その圧力に耐える表面改質を行っている。

 JMS 2025の展示の重要なテーマの一つである燃料電池車や水素プラントなど水素社会に対してDLCコーティングは、金属の結晶構造に侵入し脆性破壊を引き起こす水素ガスのバリア特性があり、水素社会の課題に貢献できる。

 また、労働人口の不足によりロボットの導入による自動化が進む中で、多関節ロボットの関節など可動部の摩耗を減らしつつ低摩擦にしたいという課題に対し、被膜の硬さによって自身も相手材も減らさないという「DLCトライボロジー」は、メンテナンスフリーによる長期の自動化に対して有効と見られる。

 まだあまり注目されていない同社のDLCコーティングの特性として、被膜が硬くかつ密着力が高いことから手術用ケーブルの保護膜として適用されている。捻る、曲がるなどの作用が加わるケーブルに被覆した同社のDLCコーティングは、長期間はく離することがない。

 川嵜社長は、「当社はお預かりした部品の表面を硬化して納めることが主業務のため、新しい製品を生み出したいと思ってもマーケティング・素材・加工・販売という四つのノウハウがない。熱処理とコーティングに関してはプロフェッショナルと自負しているものの、他のノウハウに乏しい。この機会にパートナーと力を合わせて新しい製品を世に生み出したい。今後DLCコーティングの適用を考えたいのが、FCV・水素関連でガスバリア特性、人手不足対策としての自動化のためのロボットの関節など摺動部品で、そこではDLCトライボロジーが貢献できる。また、地球上では考えられない過酷な環境に置かれる宇宙機器にも、DLCコーティングは適用できる。さらに医療関連では、カーボン材料で金属アレルギーを一切引き起こさないことから人体に無害であり、手術用ケーブルに限らずビジネスチャンスはまだまだ多い。今回のピッチで興味を持ってもらえた皆さまに共創の機会をいただき、DLCコーティングの特性を最大限に生かした新しい部品、新しいビジネスを創出できれば、大変うれしい」と、参加したスタートアップ企業など他企業との共創を力強く呼び掛けた。

kat 2025年11月13日 (木曜日)
kat

日本溶接協会、表面処理技術セミナーの基礎編を開催

3ヶ月 ago
日本溶接協会、表面処理技術セミナーの基礎編を開催

 日本溶接協会の表面改質技術研究委員会は11月6日、東京都千代田区の日本溶接協会 溶接会館 2階ホールで対面開催とオンライン開催からなるハイブリッド方式により、「表面処理技術セミナー(基礎編)」を開催した。当日は以下の講演が行われた。

「表面処理とは」仁平宣弘氏(仁平技術士事務所)…表面処理の基礎知識や各種表面処理の概略について解説。洗浄、研磨、ブラスト、めっき、塗装、熱処理といった基礎的な処理から、PVDやCVDなどのドライプロセスに至るまで、幅広い手法を体系的に整理した。講演では、真空環境下での膜形成やプラズマの利用原理を図解しながら、耐摩耗性や耐食性を高める具体例を紹介。さらに、表面処理が部品寿命や製品性能の向上に直結することを強調した。

「気相めっき(PVDとCVD)」仁平宣弘氏(仁平技術士事務所)…講演では、気相めっき技術としてのPVD(物理蒸着)とCVD(化学蒸着)の原理と応用を体系的に解説した。PVDでは真空中で金属を蒸発・スパッタリングし、硬質膜を形成する仕組みを示しながら、TiNやDLCなど工具・部品への応用事例を紹介。CVDについては、熱CVDによるTiC、Al₂O₃、ZrN、BNなどの膜の生成や表面粗さなどについて、また近年のプラズマCVDによる低温化技術までを分かりやすく説明した。さらに両技術の特徴を比較し、省エネルギーや長寿命化に果たす役割について解説した。

「表面熱処理」仁平宣弘氏(仁平技術士事務所)…金属表面の性質を高める表面熱処理について具体例を交えて解説した。まず高周波焼入れやレーザ焼入れなど、急速加熱によって表層のみを硬化させる方法を紹介。続いて、炭素や窒素を浸透させて強度を高める浸炭・浸炭窒化処理の仕組みを図解し、真空浸炭が脱炭や環境負荷低減に有効である点を示した。さらに、プラズマ窒化や軟窒化処理では、耐摩耗性や耐食性の向上、寸法精度の維持に優れることを説明。複合処理による長寿命化にも触れ、表面改質技術が自動車・機械部品の信頼性向上に不可欠であることを強調した。

講演する仁平氏

「プラズマによる表面処理(基礎編)」節原裕一氏(大阪大学)…プラズマによる表面処理の基礎をテーマに、気体放電から成膜プロセスまでを体系的に解説した。同氏はまず、プラズマを構成するイオン・電子・ラジカルの役割を示し、放電による生成原理や非平衡状態での反応特性を説明。さらに、電子衝突によるラジカル生成やスパッタリングのメカニズム、イオンと固体の相互作用などを詳述した。近年注目されるマグネトロンスパッタやHiPIMSなど高密度プラズマの応用にも触れ、低温・高品質な成膜が可能となった技術的進展を解説した。

「溶射(基礎編)―プロセス制御性確立に向けて―」福本昌宏氏(豊橋技術科学大学)…溶融粒子を積層して厚膜を形成する溶射プロセスの原理と制御技術を詳述した。同氏はまず、粒子が基材に衝突し偏平・付着する現象を成膜の基本単位として位置づけ、その物理因子を体系的に整理。1994年に発見した「遷移温度」および「遷移圧力」の概念を紹介し、これらが皮膜密着性を左右する重要な制御指標であると説明した。さらに、粒子と基材の界面で生じる「動的ぬれ」の理解が溶射品質の鍵を握るとし、実際に自動車部品やNAS電池生産での社会実装事例を示した。

「コールドスプレー(基礎と応用)」榊 和彦氏(信州大学)…コールドスプレー(基礎と応用)をテーマに、低温で金属粒子を高速衝突させて皮膜を形成する技術の原理と展開を紹介した。同氏はまず、従来の溶射とは異なり、母材を溶融させない点が最大の特徴であると説明。粒子が音速を超えて衝突する際の「臨界速度」や接合メカニズムをシミュレーションと実験結果から解説した。さらに、銅・アルミ系皮膜の形成事例を通じて、酸化や熱影響を抑えた高密着膜の利点を示した。近年注目されるCSAM(Cold Spray Additive Manufacturing)にも触れ、航空宇宙やエネルギー分野への応用可能性を展望した。

「主たる表面処理法の比較とまとめ」仁平宣弘氏(仁平技術士事務所)…多様な表面処理法を体系的に整理し、それぞれの特性と適用上の留意点を比較した。同氏はまず、耐摩耗性・耐食性・装飾性などの向上を目的とする処理の選定には、材質や使用環境に応じた条件設定が不可欠であると指摘。続いて、焼入れや浸炭などの表面熱処理、めっき、溶射、PVD、CVDといった被膜形成法を取り上げ、処理温度や残留応力、膜の密着性などを具体例で示した。特にTi系硬質膜の高温酸化特性比較では、酸化による膜劣化の挙動を視覚的に解説し、プロセス選定の重要性を強調した。

表面処理技術セミナー(基礎編)のもよう

 なお、12月8日は「表面処理技術セミナー(応用編)」を開催の予定。以下の内容で行われ、こちらで申し込みを受け付けている。

12月8日 表面処理技術セミナー(応用編)

・9:30~9:35「開会挨拶」日本溶接協会 表面改質技術研究委員会 委員長/信州大学 教授 榊 和彦氏
・9:35~10:25「概論(主たる表面処理法の比較とまとめ(基礎編の復習を兼ねて)」仁平技術士事務所 仁平宣弘氏
・10:25~11:15「PVD、CVDによる硬質膜の摩擦摩耗特性と密着性評価法」仁平技術士事務所 仁平宣弘氏
・11:25~12:15「DLC 膜 応用編、PVD による Cr 系膜 応用編」ナノコート・ティーエス 熊谷 泰氏
・13:15~14:05 「プラズマ窒化 応用編、高周波焼入れ 応用編」日本電子工業 大沼一平氏
・14:10-15:00 「プラズマによる表面処理(応用編)」大阪大学 節原裕一氏
・15:10~16:00 「ガス窒化・ガス浸炭 応用編(複合処理など)、プラズマCVDによるTi系膜 応用編」オリエンタルエンヂニアリング 木立 徹氏
・16:05~16:55「溶射(応用編)」エリコンジャパン 和田哲義氏
・16:55~17:00「閉会挨拶」日本溶接協会 表面改質技術研究委員会 幹事長/東京都立産業技術研究センター 理事 三尾 淳氏

 

admin 2025年11月12日 (水曜日)
admin

パーカー熱処理工業、第18回表面改質技術研究会を開催

3ヶ月 ago
パーカー熱処理工業、第18回表面改質技術研究会を開催

 パーカー熱処理工業( https://pnk.co.jp/ )主催の「第18回表面改質技術研究会」が11月7日、東京都千代田区の日本工業倶楽部会館で開催、約200名が参加した。

 当日はまず、パーカー熱処理工業の渡邊正高社長が「当研究会は2019年までは毎年開催されてきた。その後コロナ禍で中断していたが、皆さまからのご要望もあり、6年ぶりに開催する運びとなった。今回の講演のテーマは、環境保全もしくは環境にやさしい技術に焦点を当てている。その中で、最初の講演の熱処理分野では、CO2削減などに貢献している真空熱処理もしくは真空熱処理設備について最先端の技術を紹介すべく、当社のパートナーで世界的企業であるフランスのECM社から講演をいただく。二番目の講演は、将来のカーボンニュートラルに向けた究極のエネルギー源となるであろう水素および水素内燃機の講演を東京都市大学の三原雄司教授にいただく。最後の講演は、自動車分野を代表して、電気自動車(EV)を中心とした環境にやさしいクルマを手掛ける大手自動車メーカーのBYD様より、最新の情報とEV技術情報に関して講演をいただく。これらの講演を最後までお聞きいただき、皆さまの会社および仕事の参考にしていただければ幸いに思う」と開会の挨拶を述べた後、以下のとおり講演が行われた。

開催のようす

 

「ECM furnace Innovation, Expanding Multi-Process Capabilities for advanced heat treatment.」Barthélémy Gros氏(ECM Technologies社)

 本講演では、ユーザーニーズに応じて、浸炭、軟窒化、ろう付け、窒化、焼戻し、焼結といった熱処理を1台の設備で行えるECMの量産向け低圧浸炭処理設備「ICBP FLEX」について、EV部品への適用事例や納入したラインの例などをまじえて紹介した。雰囲気ガスを使用せず減圧下で浸炭処理を行うため、熱処理ラインからCO2ガスが排出されないため、地球環境にやさしい熱処理設備となっている。搬送室内に搬送ロボットが設置され、同一圧力で減圧制御された装置内をワークは、エアロックセル、加熱セル、油冷セル(ガス冷セル)とあらかじめ決められた処理条件のもと途切れることなく搬送され、連続生産が可能となっている。

 講演ではまた、日本で最もニーズの多い装置サイズに対応するため、ワーク寸法1230×700×750mm、総重量800㎏を処理できる炉として、油冷方式の「ECO1277」を開発し、その初号機が本年日本で組み立てられ、パーカー熱処理工業の東松山工場に設置、ユーザー企業の依頼で試作やテストを実施していることが報告された。ECO1277はコンパクト設計の装置ながらICBP FLEXの性能を全て備えている。ECOの名のとおり、既存の雰囲気炉と同じインフラを利用して初期コストを抑えつつ大気圧下での浸炭処理を低圧浸炭に切り替えられるという、経済的メリットと環境改善メリットを強調した。

「カーボンニュートラルに向けた水素内燃機関の研究開発動向と摩擦損失低減や耐久性向上へのアプローチ」三原雄司氏(東京都市大学)

 カーボンニュートラル実現に向けて、NOx以外の有害物質(CO、HC、SOxなど)の排出がほぼゼロでCO2排出は基本的にはゼロの水素エンジンが、トラックや建機、船など電動化が困難な分野での利活用を目指す動きが欧州を中心に活発化しており、その状況が報告された。また、水素エンジンの課題として、機関性能に関しては、高負荷域におけるNOxの排出量の増加や水素特有の薄い境界層などによる高冷却損失=熱効率の低下という課題を、耐久性に関しては、排気ガスまたはブローバイ中の水分による腐食やオイル劣化、水素物性による水素漏洩や水素脆性への対策が必要という課題を提示した。

 本講演では、シリンダ壁温を40℃から80℃まで変化させ、潤滑油中の水分量と成分変化を実験的に検証した結果、軽油と比較して水分量が17倍に増加し、油性状も変化することが確認されたことを報告。また、この凝縮水による潤滑油添加剤の劣化、水素特有の潤滑油性状と摩擦損失・焼付き特性の変化などの研究を紹介。さらに、エンジン油内に発生させたウルトラファインバブルが、クランクジャーナルとすべり軸受間の摩擦特性に与える影響をエンジン軸受試験機により検証し、エンジン油中のウルトラファインバブル密度とオイル粘度が摩擦低減効果に与える影響を調査した結果についても報告した。

「BYD の最新動向と日本での取り組み/BYD の取り組み バッテリー技術、SDV、新技術のご紹介」東福寺厚樹氏、三上龍哉氏(BYD Auto Japan)

 BYDは1995年に中国でバッテリーを祖業としてスタート、ブランドミッションとして「イノベーションの力で、より良い暮らしと社会の実現へ」を、ブランドビジョンとして「地球の温度を1℃下げる」を掲げている。事業領域は、ITエレクトロニクス、新エネルギー、自動車、都市モビリティの四つで、100万人(その内、技術者が12万人)の従業員を抱え、400超の都市112カ国・地域の6大陸で世界展開している。2024年には427万台を売り上げ、世界自動車販売台数ランキングで6位となっている。2022年以降はガソリンエンジンのみの車両生産を中止したBYDの強みとしては、バッテリーEV(BEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)の二刀流経営があり、販売比率はそれぞれ、約4割、約6割で、それらの総称である新エネルギー車(NEV)の累計生産が2025年10月に1400万台に達した。

 本講演では、日本法人が20周年を迎えており、すでに京都や札幌、横須賀などEVバスの多くの導入実績を持つことや、BYDのクルマづくりの哲学として「環境」、「安心」、「安全」があり、それらを具現化したリン酸鉄リチウムイオンバッテリーやバッテリー熱マネージメントシステム、さらには高速道路での高速走行中に路面の穴などをリープする自動アクティブサスペンション技術などの先進技術を紹介した。

kat 2025年11月11日 (火曜日)
kat

KISTEC、令和7年度トライボロジー技術フォーラムの参加者を募集

3ヶ月 1週 ago
KISTEC、令和7年度トライボロジー技術フォーラムの参加者を募集

 神奈川県産業技術総合研究所(KISTEC、 https://www.kistec.jp/ )機械・材料技術部は12月19日、神奈川県海老名市のKISTEC海老名本部で「令和7年度 トライボロジー技術フォーラム ~低炭素社会の実現に向けた摩擦低減システムの開発~」を開催する。当日は会場での開催と同時にオンライン上でライブ配信を行うハイブリッド形式にて開催する。参加費は無料。時間は13時30分~16時30分まで。問い合わせ・申し込みはこちらから。

 フォーラムのプログラムは以下のとおり。

13:30 – 13:35「挨拶」横内 正洋 氏(KISTEC 機械・材料技術部 部長)

13:35 - 14:20「DLCの超潤滑:シミュレーションによるミクロなメカニズムの理解」桑原 卓哉 氏(大阪公立大学 大学院工学研究科機械系専攻 講師)

14:25 - 14:55「クランクジャーナルとすべり軸受の焼付き現象の解明に向けた研究」岩田 拓実 氏(モトラ 研究員)

14:55 – 15:05 「休憩」

15:05 - 15:35「環境調和型潤滑剤とDLCの組合せによる歯車適用」加納 眞 氏(KANO Consulting Office 代表)

15:40 - 16:00「糖アルコール水溶液下で超低摩擦特性を発現したta-C膜のしゅう動面性状」吉田 健太郎 氏(KISTEC 機械・材料技術部 材料物性グループリーダー)

16:05 – 16:30「所内トライボロジー関連設備見学」

 問い合わせ・申し込みはこちらから。

admin 2025年11月5日 (水曜日)
admin
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42 分 28 秒 ago
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