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THK、山口工場にOEE最大化プラットフォームのGXソリューションを展開

 THKは、製造現場で発生するロスを削減して設備総合効率(OEE)の最大化に貢献するプラットフォーム「OMNIedge(オムニエッジ)」のGXソリューションを、主力製品のLMガイドを中心に製造を行う同社山口工場(山口県山陽小野田市)に展開している。工場の電力使用量を設備単位で可視化することで、エネルギーロスが発生している機器の特定、設備の劣化や故障の予兆などを行いながら、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みを加速する。今回の取り組みで得られたノウハウをもとに、生産現場で発生するエネルギーロス解決のためのGXソリューションを提供していく。

THK オムニエッジGXソリューション 山口工場 bmt ベアリング&モーション・テック

 

 THKグループでは、世界が直面する課題である地球温暖化がもたらす気候変動リスク対応として、温室効果ガス排出量を削減するべく、生産部門にて「新カーボンニュートラル推進プロジェクト」を立ち上げ、さまざまな取り組みを進めてきた。取り組みの一例として、太陽光発電の導入、省エネ設備への置き換えなどを行ってきたが、これらの施策による効果を定量的に把握する手段が乏しく、従来の測定手法では工場全体のマクロな電力使用量は確認できても、設備ごとのミクロな省エネ効果を評価することが困難でだった。加えて、月に一度の手動による現地データ取得も現場作業者の負担となっていた。

 THKではこうした課題を解決するため、より詳細な電力使用状況を可視化できるOMNIedge GXソリューションを導入した。GXソリューションの特長は以下のとおり。

・簡単設置:数珠つなぎ式の電力センサで狭い盤内でも省配線・省スペースでの設置が可能で、専用の通信回線を使って遠隔から手早く電力使用量を集計することができる

THK オムニエッジGXソリューション 山口工場 数珠繋ぎ bmt ベアリング&モーション・テック
数珠つなぎ配線イメージ

 

・設備やラインごとの電力使用量を見える化:工場全体の電力使用量に加えて、センサのグルーピング機能で設備やラインごとの電力消費割合を算出。設備の移設や省エネ設備を導入した際も、投資効果や環境性能を正確に測定できるので、有効な対策の立案に貢献する

・デマンド(最大需要電力)のリアルタイム監視:あらかじめデマンドしきい値を設定。超過しそうな場合にアプリ画面上で通知してデマンド超過を防ぐ

THK オムニエッジGXソリューション 山口工場 システム構成イメージ bmt ベアリング&モーション・テック
システム構成イメージ

 

 THK山口工場でGXソリューションを導入した結果、以下のような効果が得られている。

・手早く電力使用量を集計:工場全体から各設備までの電力使用量を遠隔でモニタリング。データ取得の工数を大幅に削減することができた

・運転時間の最適化:GXソリューションで取得したデータをもとに設備の運転時間を見直し、待機電力を抑えたことで電力コスト削減につなげることができた

・効果的な設備投資:各コンプレッサーの電力使用量とエアー流量を測定および比較することで、劣化したコンプレッサーを特定。この分析により更新の必要性が高い設備にしぼって投資判断を行う予定

 THKでは、OMNIedge GXソリューションの導入を通じて、工場でのエネルギーに関わる課題解決にチャレンジしながら、カーボンニュートラル実現に向けた新たな取り組み(電力データと生産実績を掛け合わせた設備の異常検知、電力データをもとにした省エネ診断機能の開発など)を進めている。これらカーボンニュートラルへの施策などで得たノウハウをもとに、エネルギーロス解決をサポートするGXソリューションを提供していく。