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SEMICON Japan 2024

 

International Linkage、国際展示会への積極参加による海外ビジネス促進を呼びかけ

 2020年初頭からのコロナ禍において、ビジネス拡大の最重要手段の一つと位置づけられている専門展示会の開催が国内外で縮小されてきたが、欧州ではすでに国際的な専門展示会がリアルで再開され始めるなど、様子見・自粛ムードの日本に先行してグローバルビジネス再開に向けた動きを活発化させてきている。

 ここでは、世界最大規模の産業見本市「ハノーバーメッセ」などを主催するドイツメッセ(ドイツ・ハノーバー)の日本代表部を今春から引き継いでいるInternational Linkage代表の竹生学史氏に、すでに動き始めている欧州国際展示会の概況や、グローバルビジネス再開の波に乗るための国際展示会への出展の必要性などについて話を聞いた。
 

竹生 学史 氏 bmt ベアリング&モーション・テック
竹生 学史 氏

 

オンライン開催はリアル展示会の補完

 ドイツメッセが主催する世界最大級の産業技術の展示会「ハノーバーメッセ」が本年4月12日~17日、「ハノーバーメッセ2021デジタルエディション」としてオンライン開催された。約1800の出展者が7000の新製品を出展(うち1700がハノーバーメッセでの初披露)し、出展者は700本を超えるライブストリーミング、750本の製品紹介動画などで製品を紹介した。もともとが一方向の性格を持つレクチャーやセミナーであればオンラインでも十分成立し、アクセスしやすいというメリットもあるが、展示会のオンライン開催では、ライブストリーミング、製品紹介動画などのメニューが用意されたがリアルな展示会がもたらす情報量には及ばない。「オンラインチャットのシステムはあっても簡単な質問をしにくい」といった参加者の声も少なくなく、細かなものからボリュームのある案件まで種々のタイプの情報が得られるのはリアルな展示会ならでは。

 こうした状況もあり、コロナウイルスのワクチン接種が進む中で、欧州ではすでにビジネス拡大の最重要手段の一つと位置づけられている専門展示会がリアルで再開され始めている。一方で、デジタル展示会の効果が限定的あっても日本企業は慎重な様子見の態度を保っているが、座しているだけではビジネスチャンスは獲得できない。ドイツメッセでも2022年4月25日~29日、ハノーバー国際見本市会場で「ハノーバーメッセ2022」をリアル開催する(デジタル版も併せて活用できる)。ぜひ共会場に足を運んでいただき、リアル展示で得られる生きた情報や各種機械・機器の動きを体感していただきたい。

 

リアル開催するHannover Messe2022の概要

 今回のテーマは「Digitalization & Decarbonization(デジタル化と脱炭素化)」で、AI&マシーンラーニング、カーボンフリー・プロダクション、デジタル化、インダスリー4.0、ITセキュリティー、ロジスティクスなどの最新トレンドとトピックスすべてに光を当てる。
展示構成は以下のとおり。

・Automation, Motion & Drive
◇製造・工程・物流・エネルギー自動化のための製品・ソリューション
◇ロボット ◇ドライブテクノロジー ◇フルードパワー
◇ライナーテクノロジー ◇ハンドリング&組立て
◇プロセスオートメーション

・Energy Solutions
◇設備・インフラ・ITソリューション
◇水素・燃料電池
◇電気自動車・充電技術Future Hub
◇R&D ◇スタートアップ、新規企業 ◇未来の技術

・Engineered Parts&Solutions
◇新素材
◇ライトウェイトソリューション、軽量化対策
◇金属部品・部材・ソリューション
◇付加製造(3Dプリンター等)

・Logistics
◇マテリアルハンドリング
◇物流の自動化に関する技術、サービス
・Digital Ecosystems
◇クラウド&インフラ ◇ソフトウェア・データ管理
◇プラットフォーム ◇AI ◇5G ◇予知保全
◇セキュリティー ◇VR&AR

・Global Business & Markets
◇貿易&投資促進

 デジタル開催された2021年の実績としては、来場者(視聴者)数が95000人(51%がドイツ以外から参加)で出展者数が1800社(60%がドイツ以外から出展)。2020年は開催中止だったためリアル開催された2019年の実績をみると、来場者数が215000人(40%以上 の来場者がドイツ国外から来場)で出展者数は6500社(75ヵ国・地域、約60%がドイツ 国外から出展)であり、日本からの出展者(海外現地法人を含む)は84社だった。

 2019年のレベルを目標としたいものの、商品をアピールしたい出展社はさておき、来場者からはリアル開催への参加はまだハードルが高いという声も聞こえてくる。そこで2021年のデジタル開催での反省なども踏まえて、デジタル開催への参加でもリアル開催に参加したような情報収集が可能となるよう、オンライン上でのツアーや出展社へのインタビューなども計画している。コロナ禍での出展および来場におけるサービス向上を目的に現在、多数の協力会社とともに企画を進めているところだ。

 リアル出展はするが現地には行けない企業向けには、リアルなブースを会場に設置するとともに代理スタッフ(独語・英語)を配置し、ブースへの集客やカタログ配布、出展製品の説明をブースで行えるプランも用意している。また、端末を通じて、会場にいる来場者と日本にいる出展者とのオンラインミーティングのセッティングも行うほか、問い合わせやトラブル対応の日本人スタッフも会場に常駐させるプランとなっている。

 ハノーバーメッセ2022出展の詳細に関する問い合わせは、以下のとおり。
Email:masahito.takeo@intl-linkage.co.jp ウェブサイト:https://intl-linkage.co.jp/dm/

 

ハノーバー国際見本市会場 bmt ベアリング&モーション・テック
ハノーバー国際見本市会場

 

本年11月9日、英・仏・独の国際展主催4社がアフターコロナの欧州グローバルビジネス最新動向を日本企業に発信

 海外ビジネス促進に向けた国際展示会の開催が始まる中、インフォーマ マーケッツ ジャパン、ドイツメッセ日本代表部、フランス見本市協会日本事務所、メッセ・デュッセルドルフ・ジャパンは本年11月9日、「グローバルビジネス再開の波に乗り遅れるな!」と題したカンファレンスをハイブリッド形式で開催する。世界の展示会業界をリードする4社が日本企業向けに合同で情報発信を行うのは今回が初めてとなる。カンファレンスでは、専門展示会を中心に、コロナ後の国際ビジネスの再開に向けた各国の最新動向を緊急報告する。

 欧州ではすでに9月から専門展示会がリアルで再開され始めており、2年ぶりのリアル開催となる世界最大の医療機器の展示会「MEDICA」(2021年11月15日〜18日、ドイツ・デュッセルドルフ)では、全体の展示規模は約3700 社とコロナ以前の6割ではあるが、出展国数は70ヵ国となり、2019 年の66ヵ国を上回っている。韓国の266社など、コロナ前を上回る規模で出展する国もあり、アジア各国も積極的に欧州展示会への参加を表明している。しかしながら一方で、日本からの出展は64社とコロナ前の3割にとどまっており、世界的に経済回復に向けた動きが加速する中、日本にはいまだ「様子見」「自粛」のムードが重くのしかかっていることがうかがえる。

 イギリス、フランス、ドイツの展示会主催4 社は、こういった様子見が日本のグローバル経済活動の立ち遅れにつながる可能性を危惧し、日本企業に海外ビジネス促進に有益な判断材料を提供することを目的に、今回、合同カンファレンス開催を決定したもの。具体的には、各国の展示会政策や緩和措置、コロナに配慮した開催・運営方針、オンラインイベントとの差別化ポイントなどの最新情報を発信し「今、欧州で何が起こっているのか」を伝えるとともに、日本にとってのビジネスチャンスを提示し、日本企業への応援メッセ―ジを送る場としたいと考えている。

 参加は無料なので、グローバルビジネス再開に意欲的な日本の企業・団体・自治体等の海外事業 担当者の方に、ぜひ参加いただきたい。

【開催概要】

日時: 2021年 11月9日(火)15 00~16 00
主催: インフォーマ マーケッツジャパン、 ドイツメッセ日本代表部、フランス見本市協会日本事務所、メッセ・デュッセルドルフ・ジャパン
参加費:無料
申込ウェブサイトhttps://cheer-upnippon.peatix.com
使用言語:日本語
プログラム
1.「 欧州 ドイツのリアル展の現状と2022年の展望」ジェトロ・デュッセルドルフ事務所次長 木場 亮氏
2.「直近の出展 日本企業が語る:ヨーロッパの現場で感じた熱」 発表企業選定中
3.パネルディスカッション「日本に知ってほしいコロナで変わった欧州展示会ビジネス」
パネリスト:
英:インフォーマ マーケッツ ジャパン 代表取締役社長 クリストファー・イブ氏
仏:フランス見本市協会 日本代表 井田絵里佳氏
独:メッセ・デュッセルドルフ・ジャパン 代表取締役社長 小原暁子氏
ドイツメッセ 日本代表部 代表 竹生学史氏
4.Q&A
 
 

左からパネリストのクリストファー・イブ氏、井田絵里佳氏、小原暁子氏、竹生学史氏 bmt ベアリング&モーション・テック
左からパネリストのクリストファー・イブ氏、井田絵里佳氏、小原暁子氏、竹生学史氏