THKは、製造業向けIoTサービス「OMNIedge(オムニエッジ)」に回転部品の予兆検知をラインナップに追加した。
同社が2020年1月に販売を開始したOMNIedgeは、安全な通信網を使って部品の状態を数値化し、予兆検知を実現するIoTサービス。これまでに直動案内(LMガイド)、ボールねじ、アクチュエータの直動部品の予兆検知を中心に展開してきたが、今回、回転部品の予兆検知がライナップに加わった。
生産ラインに欠かせない製造装置やユーティリティ設備では回転部品が多用される一方で、メンテナンスの頻度は依然として高く、維持管理の負担は少なくない。そこでTHKでは、ユーザーにOMNIedgeによる予兆検知の価値を最大限に享受してもらうよう、直動部品だけでなく回転部品への対応を拡げていくもの。
現在OMNIedgeを導入いただいているユーザーとしては自動車部品、食品、素材メーカーなどが主で、その生産ラインの製造装置の機械要素部品が多くを占めている。こうしたユーザーでは共通して、直動部品だけでなく、ポンプ、ファン、モーターなど回転部品の予兆検知にも積極的に導入しており、予兆検知システムを統一化して導入することにメリットを示している。
そこでTHKでは、「自社設備のLMガイドやボールねじなどの機械要素部品以外の部品も同様に見える化できるようにして、メンテナンスレベルを向上させたい」というユーザーの要望に対応すべく、これまでのコンセプトである「簡単に後付けが可能」、「安心してデータを活用できる安全な通信網」、「リーズナブルに始められる価格設定」で回転部品への対応を拡大していく。
回転部品に対象を広げたOMNIedgeの特徴は以下のとおり。
・センサは後付けできるので、すでに稼働している回転部品にも即座に装着可能。また、Wi-Fi接続に対応したセンサのため、最小限のワイヤリングでスッキリと配置できるほか、導入時の初期設定は煩わしい手間がなく、モニタリングが即時に行える
・センサ本体のLEDが状態別に色変化するので、特別な検査機器を持ち込むことなく目視で状態を確認できる。そのため、巡回時の現場では状態目視で異変に気付ける。
・回転部品の予兆検知は、LEDでの状態確認だけでなく、Webアプリでのモニタリングが可能で、事務所にいながら各機器の状態をリモート監視できる。また、設定した閾値を超過するとメールが発報されるので、次の巡回までの間に故障が発生しても見逃してしまうことを防ぐ