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THK、複雑形状にフィットする次世代マルチ吸着ハンドの受注を開始

 THKは、複雑な形状をしたワークの吸着に適した、自動車部品業界向け「次世代マルチ吸着ハンドTNH08-V09」の受注を開始する。可搬質量の向上により、自動車部品業界向けに用途を拡大していく。

THK 次世代マルチ吸着ハンド bmt ベアリング&モーション・テック

 

 次世代マルチ吸着ハンドは、変種変量生産の課題である段取り時間を削減するためのロボットハンド。モジュール化したハンド本体には、吸着パッドが付いた9本の中空シャフトを備えており、ワークの形状にフィットしながら吸着できる。

 ハンド1本あたりの可搬質量は7kgで、複数のハンドを用いることで自動車部品の中でも、バンパーやランプ類といったワークを持ち上げることが可能。また、センサを搭載することで、ワークの検知や吸着状態の監視を実現する。

 近年、次世代型の自動車の普及に伴い、自動車部品の生産工程における変種変量のニーズの高まりや、自動車部品自体のデザイン性の向上が進んでいる。しかし、複雑な形状をしたさまざまな部品を生産ラインへ流すためには、ロボットハンドの段取り替え時のサイクルタイムを短縮しなければならないといった課題があった。

 次世代マルチ吸着ハンドは、独自のクイッククランパーエレメント技術により、複雑な形状にフィットして安定したワーク搬送が可能なほか、さまざまな種類のワークをハンド交換なく吸着可能なため、サイクルタイムの短縮にも貢献する。

 THKでは、「これからも独自の新製品開発を通して、あらゆる分野の自動化、省力化需要に応え、生産性向上や工程改善のためのソリューションを提案していく」とコメントしている。

 次世代マルチ吸着ハンドの特長は以下のとおり。

・複雑な形状にフィット:独自の特許技術「クイッククランパーエレメント」により、安定した姿勢でワークを吸着。シャフトが固定されワークの姿勢を維持

THK 次世代マルチ吸着ハンド 複雑形状にフィット bmt ベアリング&モーション・テック
THK 次世代マルチ吸着ハンド クイッククランパーエレメント
クイッククランパーエレメント

 

・段取りレス:9本のシャフトがさまざまな形状にフィットすることでハンド交換が不要なため、段取りロスの削減に貢献

THK 次世代マルチ吸着ハンド 段取りレス

 

・装置構成のシンプル化:特許技術を生かすことで、コンパクトかつ軽量な構成を実現。モジュール化により、設計工数を削減
 

THK 次世代マルチ吸着ハンド 装置構成のシンプル化