ジェイテクトは11月9日、東京都・銀座の東京ジェイテクトビルで記者説明会を開催、安形哲夫社長(写真)が、同社のステアリング、駆動、軸受、工作機械・メカトロの各事業について概況とトピックスを報告した。
ステアリング事業では、市場が拡大する中で現状の世界シェア26%を2019年まで確保できると見込む。摩擦による変動を半減し滑らかな操舵感を実現するとともに、ボールねじ構造による高出力化で省スペース化を図れる「RP-EPS」を本年末に量産開始することで、唯一フルラインナップを完成させる。ADAS(自動運転)対応ではレベル3をにらみ冗長設計・二重制御の完全リンクレスSBW(ステアバイワイヤ)を試作中と述べた。
駆動事業では、2019~2020年をめどに、2WD走行時に副駆動輪側を回転停止させ燃費向上につなげる「ディスコネクトシステム」の開発を進めていることや、デフサプライヤーとの協業で同社電子制御4WDカップリングとデファレンシャルギヤを一体化した次世代デフモジュール(ディスコネクト式、ノーマル式)を開発中であることを報告。併せて協業によって駆動系のシステムサプライヤーを目指す考えを表明した。
軸受事業では、グローバルでの生産拠点再編による収益力強化が着実に進んでいると報告。付加価値の高いハブベアリングを強化して収益力を高めるべく、軽自動車用にスリム化したハブユニットやSBWやADASに対応できるセンシングハブユニットなどを、2019年をめどに投入していく考えを明らかにした。亀山工場へのハブライン移設を年内に完了し、世界一のハブ工場としてコスト競争力を高めるとした。
工作機械・メカトロ事業ではバリューチェーン全体で顧客をサポートする方向性を確認。研削盤トップメーカーとして砥石も含め総合的に提案していくとともに、独自ギヤスカイビングセンタについて、現状の中型機に、建機・ロボット向けなどの大型機や自動車向けなどの小型機を加える計画を発表したほか、人を主役として人と設備が協調して改善・成長していくスマートファクトリーづくり「IoE」の推進状況について報告した。