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SEMICON Japan 2024

 

ジェイテクト、EV/HEV用超低トルクシール付き玉軸受を開発

 ジェイテクトは、EV/HEV車の電動ユニットに使われる超低トルクシール付き玉軸受を開発した。生産は同社亀山工場と徳島工場、中国工場、ルーマニア工場、さらにグループ企業のダイベアで実施。国内外の自動車メーカーに販売を展開、1億2,000万円/月の売り上げを目指す。
開発品の構造開発品の構造

 EV/HEV車では航続距離の延長に向け、電力消費率(電費)を向上するための様々な取組みがなされており、電動ユニット用軸受にもさらなる低トルク化、軽量化が求められている。

 EV/HEV車の電動ユニットの減速機に使われる深溝玉軸受は油中で使用されるが、長期間にわたる使用に伴い、ギヤなどの摩耗粉が軸受内部に侵入し、軸受寿命が短くなる可能性がある。

 そのため、開放型の軸受の場合は、軸受容量確保を目的に、小型化が困難であるという問題もある。

 その対策として、軸受内部への摩耗粉などの侵入を防止すべく、シール付き軸受を使用するが、その場合、シールリップが内輪に接触する際に発生する摺動摩擦が軸受の回転トルクを増大させ、それが電費の低下に繋がっていた。

 開発品は、内輪に接触するシールリップの形状を最適化することで、シールが軸を締め付ける力(緊迫力)を低下させ、回転トルクの30%低減と、シールの追随性向上を実現した。

 また、シールによる耐異物寿命向上効果に伴う小型化により、従来の開放型軸受と比べ、約50%の軽量化が可能になる。

 これらの特長により、EV/HEV車の電費向上に貢献する。