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第9回ものづくりワールド名古屋

 

イグス、「2021 年 マヌス賞」を発表、金賞には高積載重量の運搬車両(ドイツ)

 イグスは5月11日、独ケルン本社に設置された「iFデザイン賞」受賞のバーチャル展示ブースをメインステージに、同社の高性能樹脂製ベアリング「イグリデュール」を用いて大きな技術改良や業務改善などを実現した画期的な事例を競うコンテスト「マヌス(manus)賞」の授賞式を実施した。

イグス マヌス賞 バーチャル展示ブースでの授賞式のようす
バーチャル展示ブースでの授賞式のようす

 

 今回で10回目となる2021年マヌス賞には、世界41ヵ国から582件の応募があり金賞にはドイツKässbohrer Geländefahrzeug社の多機能な高重量物運搬車両「PowerBully」が輝き、賞金5,000ユーロを獲得した。

 PowerBullyは、幅広いアプリケーションで適用できる高積載重量のオフロード・キャリア車両で、直伸ブーム先端の作業床に乗った作業者が電力回線・電話回線の敷設や高木の伐採を行うなどマルチな作業に適用できる。ブームと車両の連結部やブームと作業床の連結部など可動部の回転運動・揺動を支えるすべり軸受には高い堅牢性と重荷重に耐える必要があることから、長繊維巻線タイプのイグリデュールTX1すべり軸受が採用されている。重荷重下でも潤滑剤を用いずに適用できるため、土砂やほこりの影響を受けずに長期にわたり作業を続けられることが評価されての受賞となった。

 このほか、技術的かつ経済的に優れ、独創性あふれるアプリケーションとして、以下の2件が選出された。

・銀賞:Forstreich社(ドイツ)の遠隔操作のバッテリー式伐採ウェッジ
Forstreich社では、遠隔操作できるバッテリー駆動の伐採ウェッジ(くさび)を開発。伐採ウェッジの直線運動のためイグリデュール製ドライリンWダブルレールを使用したほか、イグリデュールGシリーズのすべり軸受を使用。ともに粉塵環境に強く無潤滑で使えることから、木の伐採に伴うおがくずや汚れ、砂などの介在下で長年にわたって可動部を支え、安全でメンテナンスフリーの円滑な伐採作業を可能にしていることが評価された。

・銅賞:Arcora社(フランス)の遮光ファサードシステム
形状記憶合金を使用した遮光ファサードシステムでは、太陽光により合金が熱くなると、キャリッジを直進運動させ、このスライドによって遮光スラット(ブラインドを構成する1枚1枚の羽根)を回転させる。この回転運動、直線運動の支持には、イグボール球面ベアリング、イグリデュールJフランジベアリング、ドライリンNシリーズのミニチュアガイドレールなどが採用され、無潤滑で滑らかな可動を可能にしている。

 また、今回より、持続可能なプロジェクトでのポリマーすべり軸受の採用を讃える「グリーンマヌス賞」が設けられ、Finbin社(フィンランド)が開発した、インテリジェントごみ箱が受賞した。太陽光発電によるエネルギーを活用したインテリジェントなごみ箱は廃棄物システムの特許技術により廃棄物を6:1の比率で圧縮するとともに、ごみ管理システムにごみ箱の充填レベルを自動通知する。ごみ箱の部品には耐久性・メンテナンスフリー性が要求されたため、可動部にはトライボポリマーであるイグリデュールG製すべり軸受が採用、ベアリングが無潤滑で動作し、汚れの影響を受けずにメンテナンスフリーで長期運転できることなどが評価された。

イグス 第10回マヌス賞受賞事例:金賞(左上)、銀賞(右上)、銅賞(左下)、グリーン賞(右下)
第10回マヌス賞受賞事例:金賞(左上)、銀賞(右上)、銅賞(左下)、グリーン賞(右下)