メインコンテンツに移動
SEMICON Japan 2024

 

イグス、追尾式太陽光発電システム向けピローブロックベアリング用素材2種を開発

 イグスは、追尾式太陽光発電システム向けのピローブロックベアリング用に耐紫外線性に優れた「ソーラーミッドG」と「イグリデュール P UV」の二つのポリマー素材を開発した。長時間太陽光を浴びる環境下でも優れた耐久性を備え、実条件下の試験において従来の素材に比べ約3倍の耐紫外線性が確認されている。

 

イグス 「ソーラーミッドG」と「イグリデュール P UV」 bmt ベアリング&モーション・テック メカニカル・テック社

 

 世界中の太陽光発電システムでは、表面だけでなく裏面でも光を捉える両面発電モジュールの導入が増えている。イグスでは6年以上前から、角型軸にモジュールをしっかりと固定するための樹脂製ベアリングユニット「イグボール ピローブロックベアリング」を提供しており、多くの採用実績を持つ。

 このピローブロックベアリングはこれまで、モジュールの裏側に取り付けられ、断続的に太陽光にさらされるという標準的な方法で使用されてきたが、近年、太陽光発電システムの利用率を高める目的で2枚の発電モジュールを両面に設置する方法が増えてきている。

 この追尾式太陽光発電システムに設置されるピローブロックベアリングでは紫外線を浴びる時間がさらに長くなることから、今回こうした用途に特化した2種類のトライボポリマーとして、「ソーラーミッドG」(ハウジング材質)と「イグリデュール P UV」(球面ボール材質)を開発した。無潤滑でメンテナンスフリー、そして汚れや埃に強い素材であるため、太陽光発電分野での使用に最適。耐紫外線性も向上している。

 ASTM G154に基づく試験(紫外線蛍光ランプ式促進耐候性試験)では、2000時間の過酷な紫外線照射後において、太陽光発電業界でこれまで使われていた材質の数値が14%だったのに対して、開発材2種の曲げ特性は5%しか変化しなかった。この試験により、ソーラーミッドGとイグリデュールP UVは、追尾式太陽光発電システムの耐久性と信頼性をさらに高めることが実証されている。耐紫外線性に優れた開発材を使用することで、メンテナンス作業も大幅に軽減できる。