イグスは、編み込み構造を有する高荷重向けのすべり軸受「イグテックス TX3」を開発した。高強度の繊維樹脂で構成されているため、熱可塑性材質では安定性の確保が難しい80MPa以上の荷重がかかる過酷な条件下でも使用できる。同シリーズ中でも特に高い性能を有し、厳しい動作環境に対応する。
イグテックスシリーズは、建設・農業機械、コンテナクレーン、オフショア分野など、射出成形のすべり軸受では安定性を確保できない場所で使用される。非常に強力なフィラメントとその特殊な巻線構造により、最大限の弾力性が確保。堅牢な繊維樹脂が外殻として機能し、摩擦特性を最適化した内層が軸の摩擦を低減し、滑らかな走行面を提供する。イグテックスの素材は、最大200MPaの荷重を吸収する必要があるアプリケーションに最適。
今回新たに開発したイグテックス TX3は、ショベルカーの油圧シリンダー部など、高い動荷重や交番荷重が発生するような環境下で、長寿命を実現。S50Cのような表面が粗い軸や軟質軸にも対応しているほか、ベアリング摺動面に組み込まれた固体潤滑剤により無潤滑運転が可能なため、最高の摩擦係数を実現する。オイルやグリース、メンテナンスコストを削減でき、潤滑剤が外部に放出されないため、環境保護の面でも利点がある。
ドイツ本社にある試験施設の屋内外の装置で徹底的にテストを実施した結果、S50Cの硬質クロム軸と組み合わせたイグテックス TX3が、100MPaの揺動試験において、同材質シリーズの中で最も優れた結果を出している。新内径20〜80mmのカタログラインナップを用意しており、その他のサイズのカスタム品も要望に応じて対応していく。