イグスは、工具不要で組立時間を短縮できるケーブル保護管「エナジーチェーンE4Qシリーズ」として、E4Qではサイズが大きすぎる場合にサイズダウンが可能となり、コストが最大20%削減できる「E4Q.64L」を開発した。
長いフリースパン走行仕様や、高い収納重量を求める用途でも使用可能なケーブル保護管への需要の高まりに対応して、工具不要で開閉可能なロック機能付きのクロスバーにより組立時間を短縮できる「E4Q シリーズ」が開発され、7軸ロボットの走行軸用や工作機械などで採用されている。
しかし、低・中程度の荷重(工作機械、木工機械、洗車機等で)がかかるような場面では、E4Qはオーバーサイズになることがある。イグスではこれに対し、頑丈で取り付けが簡単なE4Qの特長を残しながら、軽量化し、より安価に提供できるE4Q.64Lシリーズを開発した。横幅のサイズによって、E4Q.64LはE4Qよりも15%~20%のコストが抑えられる。
E4Qの利点である、ロックフックを2本の指で開閉でき、両サイドのカギを開ければクロスバーを簡単に取り出すことができる構造や、耐荷重機能を持たない材質を排除したバイオニック・デザインはそのままに、E4Q.64LではサイドパーツをE4Qよりも狭くすることで重量を軽くした。また、内寸と外寸の比率を最適化したため、パワーケーブルとデータケーブルを収納するスペースは広くなっている(内高さ:64mm)。
より軽量で頑丈にして製品寿命を延ばすために、各チェーンリンクに付いているストップドッグをE4Q比で一つ増やし、三つ設けている。外面パーツを特殊なRBPリンクに取り換えると、チェーンは、二つの曲げ方向で動作できるようになる(逆曲げ半径[RBR]と呼ばれる状態。例えばロボットの1軸目などで、軸周回転運動を実現することを意味する)。
イグスの研究機関で実施したテストにおいてE4Q.64Lは、フリースパン走行仕様にも使われている14240シリーズよりも30%強度が増していることが確認されている。これは、同収納重量で、最大20%製品寿命が伸びることを示す。例えば、4kg/mの場合、現行モデル(E4/lightおよびE4.1)では、フリースパン走行仕様が最大2.7mのところ、E4Q.64Lでは最大3.2m可能となる。E4Q.64Lは、優れた強度により、以前よりも低いコストで多様な場面での使用が可能になっている。
E4Q.64Lでは、さまざまな横幅サイズがある既設E4Q型のクロスバーを利用できるため、100~500mmまで29種類の幅のクロスバーから選定できる。