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SEMICON Japan 2024

 

第11回マヌス賞 受賞事例4件を公表

 イグスは、自社のすべり軸受けを創造的に使用した事例を表彰する「マヌス賞」を2年に一度開催しているが、このほど「第11回マヌス賞」の受賞事例を公表した。今回は世界36ヵ国から480の使用事例が寄せられ、アイデアや機能性、節約、効果、差別化などの基準で審査される選考プロセスを勝ち抜き、以下4件の事例がマヌス賞に輝いた。

イグス 第11回マヌス賞授賞式の様子 bmt ベアリング&モーション・テック 
第11回マヌス賞授賞式の様子

 

マヌス金賞:液体窒素肥料を農地に供給するパラリンケージコールター/J&M Manufacturing社(アメリカ)

 J&M Manufacturing社は、無潤滑の樹脂製ベアリングを使った新型の農業機械をサステナブルで経済的に使用した事例でマヌス金賞を受賞し、賞金5000ユーロを獲得した。

 同社ではパラリンケージコールターという鍬の機械を開発しており、農家はこれを使ってトウモロコシやジャガイモ、小麦などの農作物に液体窒素肥料を散布している。メンテナンスフリーで運用し、かつ潤滑剤を地中に混入させないために、パラリンケージコールターの設計者は五つある全てのコールターブレードのピボットポイントで、イグスのイグリデュールすべり軸受を使用した。イグリデュールは、液体窒素肥料に触れても腐食せず、揺動運動にも耐性があるベアリングで、潤滑剤を使用する必要がないため、潤滑剤を使用していた分のコストを削減できる。

マヌス銀賞:スリムなデザインの高圧洗浄機ユーザー向けパワードスーツ/Aufratech社(フランス)

 マヌス銀賞には、高圧洗浄機を扱う作業員が着用するパワードスーツ「EXO N」の事例でAufratech社が選ばれた。

 食品業界、造園業、農業などで高圧洗浄機を扱う作業員は、腰に大きな負担がかかる重い機器を使用している。Aufratech社は「EXO N」というパワードスーツを開発し、スーツの中核機能である、ユーザーが背筋を伸ばしたままでランスをガイドできる制御システムのスリム化に成功した。本事例には、イグリデュールすべり軸受とドライリンリニアガイドが採用されている。

マヌス銅賞:自治体車両向けの伸縮式高圧洗浄機/Fiedler Maschinenbau und Technikvertrieb社(ドイツ)

 マヌス銅賞には、汚れた道路や広場を清掃する自治体車両向けの高圧洗浄機の事例でFiedler Maschinenbau und Technikvertrieb社が選ばれた。

 この高圧洗浄機の特長は、拡幅可能な洗浄ノズルを備えている点で、この機能を実現するために、Fiedler社はドライリンリニアガイドを採用している。ドライリンリニアガイドは耐食性に優れているため、摩耗や水、砂、砂利、ブレーキダストに強い耐性がある。加えて、非常に頑丈であるため、縁石や石畳を通過する際の激しい衝撃や振動に耐えることができる。

グリーンマヌス賞:ローダーワゴンや堆肥散布機などに使用される無潤滑ボール式連結装置/Rockinger Agriculture GmbH社(ドイツ)

 グリーンマヌス賞には、ローダーワゴンや堆肥散布機、ダンプカー、農業用噴霧機用の無潤滑ボール式連結装置「KS80」の事例でRockinger Agriculture社が選ばれた。

 この連結装置はカプラーとツメで構成され、高さを調整する機構に設置されている。このボール式連結装置内部には、イグスが同社のために開発したイグリデュール製の頑丈で高性能な耐摩耗性インサートが搭載されている。一体型の固体潤滑剤により、低摩擦で土壌汚染の恐れがない無潤滑運転が可能となった。同社の試算では、ドイツにあるトラクターの1/3が「KS80」と耐摩耗性インサートを搭載すると約8300個分のボール式連結装置が無潤滑で済み、それによって年間8tのグリースを節約できるとしている。
 

イグス 第11回マヌス賞 4件の受賞事例
4件の受賞事例