イグスは、若手人材が海外拠点で就業できる社内制度の一環として、ドイツ本社で職業訓練制度「Ausbildung(アウスビルドゥング)」に参加する職業訓練生(Apprentice)2名を本年7月~8月に受け入れた。ドイツから職業訓練生が来日するのは初めてで、同2名は日本法人(東京都墨田区)で映像制作やSNSを使ったマーケティング業務などを行った。イグスでは若手人材に海外拠点での実務経験の機会を提供することで、従業員の成長を促進し、グローバルでの組織力強化につなげている。
イグスは80カ国以上で事業を展開するグローバル企業として、次世代人材の育成と企業文化の継承に力を入れている。特に、顧客第一主義をはじめとするイグスの価値観を若手人材に伝えるため、海外拠点での実務経験や異文化交流の機会を積極的に提供している。今回の来日研修もその一環で、ドイツ本社から来日した職業訓練生2名は、日本法人での業務を通じて日本文化への理解を深めた。

ドイツ本社では、学校教育と実務経験を組み合わせたドイツの職業訓練制度Ausbildungの一環として、職業訓練生の育成を行っている。職業訓練生は実務を経験しながら専門知識やスキルを習得するとともに、イグスの企業文化や価値観を学ぶ。希望者が参加できる海外拠点での研修もプログラムの一環として位置付けられており、異なる文化や市場環境に触れることで、グローバルな視点を養うことを目的としている。
今回来日した2名は、日本法人での映像制作やSNSマーケティング業務に携わり、日本市場向けの情報発信を通じて顧客理解や異文化コミュニケーションを学んだ。
イグスにとって日本は、40年近くにわたり事業を展開してきた重要市場。工作機械やロボット、半導体製造装置、港湾設備など高度なものづくり産業が集積し、高い品質基準や改善文化が根付いている。研修生は日本での経験を通じて、こうした価値観やグローバル市場における多様な視点を学ぶ。また、日本はアニメや食文化などの魅力もあり、ドイツ本社から特に人気の高い研修先となっている。
イグスでは、顧客第一主義を体現する組織運営の考え方として、顧客を太陽に見立て、すべての活動の中心に据える独自の組織モデル「ソーラーシステム」を採用している。従来の階層型組織では顧客ニーズへの迅速な対応が難しいという課題があったのに対し、イグスは、上司ではなく顧客を中心に据え、社員一人ひとりが主体的に判断・行動できる組織づくりを進めてきた。組織階層を最小限に抑え、営業社員の直行直帰を基本とするなど、働き方にもその思想が反映されている。
今回の研修プログラムも、こうしたソーラーシステムの考え方を次世代へ継承する取り組みの一つで、職業訓練生は日本での経験を通じて、多様な価値観や文化に触れながら、顧客を中心に考えるイグスの企業文化を実践的に学んだ。

イグスは日本を重要市場の一つと位置付けており、近年は国内新工場「栃木さくら工場」(栃木県さくら市)の設立など、生産・供給体制の強化を進めている。今後も日本の顧客に対し、より迅速で柔軟なサービスを提供できる体制づくりを推進していく。また、事業成長を支える経営資源として、設備だけでなく人材も重要であることから、イグスは今後も職業訓練制度や海外研修制度を通じてグローバル人材の育成に取り組み、顧客第一主義を根幹とする企業文化を次世代へ継承していく。日本研修もその一環として継続し、世界各国で活躍できる人材育成を進めていく。

