NTNは、工場などの産業設備におけるベアリング(軸受)の状態を常時監視し、設備の停止につながる異常兆候を早期に検知する「産業設備向け状態監視システム(CMS:Condition Monitoring System)」の提供を開始した。本システムは、設備の振動データを収集・解析して設備状態を分かりやすく可視化し、異常兆候の早期把握を支援することで、設備診断の経験や知識が少なくても状態を把握でき、安定稼働と保全業務の効率化に貢献する。
新たに開発した「設備診断エッジユニット」
近年、製造現場では省人化や生産性向上を背景に、設備の突発停止を未然に防ぐ計画的な保全への重要性が高まっている。一方で、保全を担う技術者の高齢化や人材不足が進む中、経験や知識が少なくても機械の状態を把握できる仕組みも求められている。
NTNでは、風力発電設備向け状態監視システム「Wind Doctor」で培った知見やノウハウを生かし、コンパクトで取り扱い性に優れた「NTNポータブル異常検知装置」や軸受診断アプリケーション「Bearing Inspector」を展開してきた。一方、一般産業設備向けの状態監視システムは、機器の選定や効果検証などに専門知識を要することから、導入に向けたハードルが高いという課題があった。
こうした課題に対しNTNは、振動データを収集・解析する「設備診断エッジユニット」を新たに開発、Bearing Inspectorの診断技術と組み合わせた「産業設備向け状態監視システム(CMS)」として提供を開始したもの。NTN製の軸受に限らず、他社製の軸受にも対応しており、既存設備にも導入が可能。また、対象設備の調査から実証評価(試験導入)、システム導入、運用までNTNが一貫して支援することで、システム構築の負担を軽減しながら導入できる。導入後は、状態監視による異常兆候の早期把握に加え、軸受調査やグリース分析による原因分析と改善提案を通じて、適切な保全判断を支援する。
先行して実施した資源リサイクル事業者様における6カ月間の実証評価では、資源を搬送するベルトコンベヤー回転軸のクラック(き裂)など、設備停止につながる異常兆候を早期に検知。設備の突発停止を未然に防ぐ保全対応につながった点が評価され、正式導入に至っている。
NTNは今後も、産業設備向け状態監視システム(CMS)をはじめとする状態監視ソリューションを通じて、ユーザーの設備の安定稼働と保全業務の効率化に貢献していく。
産業設備向け状態監視システム(CMS)の特長は以下のとおり。
1.導入検討から運用開始まで、負担を抑えて状態監視を開始:対象設備の調査から実証評価(試験導入)、システム導入、運用まで一貫して支援
2.設備の状態を直感的に分かりやすく可視化:軸受や設備の状態を「正常」「初期損傷」「注意」「警告」の4 段階で表示し、設備状態の把握と保全判断を支援
3.既存設備へ容易に導入可能:大規模な設備改造を必要とせず、既存設備への後付け導入が容易な構成
4.設備や用途に応じた柔軟なシステム構成:対象設備やユーザーの運用ニーズに応じて、ソフトウェアや表示内容をカスタマイズ可能
対象設備は、製紙、鉱山、鉄鋼、食品、セメントなどの製造設備などで使用されるモーター、ポンプ、ファン、コンベヤーなどの回転機械で、NTNの正規販売代理店(https://www.ntn.co.jp/japan/corporate/distributor/index.html)より購入できる。