日本精工は、自動車の変速機(T/M)向けに第6世代「低フリクション円すいころ軸受」を開発した。円すいころ軸受の低フリクション化を実現、自動車の燃費向上に貢献する。同社では、本製品の売上として2022年に20億円を目指す。
自動車の燃費向上を目的としたT/Mの効率向上のため、T/M内で使用される転がり軸受には低フリクション化が求められている。T/Mの軸を支持する転がり軸受には一般的に玉軸受と円すいころ軸受が使用されるが、玉軸受に比べてフリクションが大きい円すいころ軸受の一層の低フリクション化が課題となっていた。
円すいころ軸受が低速で回転する際には、ころ頭部と大つば部に発生するすべり摩擦が軸受全体のフリクションに大きく影響するが、開発品ではこれを改善することにより、機能に影響を与えることなく低フリクション化を実現した。特徴は以下のとおり。
1. ころ頭部と大つば部の表面粗さを改善することで、フリクションを低速域では最大60%低減し、全回転速度平均では最大20%低減した。
2. 潤滑油の攪拌抵抗を低減するためT/Mでは近年、低粘度潤滑油の使用が増えているが、開発品では、低粘度油を使用した場合に、より効果が顕著となる。