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SEMICON Japan 2024

 

東急建設とTHK、建設現場用搬送ロボットの実証実験を開始

 東急建設とTHKは、建設現場の資機材搬送を自動化するロボットを共同開発中で、現在、実証実験を実施している。段差や複雑な経路も走行可能な搬送ロボットで、2020年春の商用化を目指す。

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建設現場用搬送ロボットの実証実験のようす建設現場用搬送ロボットの実証実験のようす

 近年、建設業では就業者の減少による人手不足が深刻化しているほか、現地生産が基本となる建設業は作業の標準化が難しく、生産性向上が大きな課題となっている。

 建設現場においては、工事の進捗に合わせて作業環境が日々変化するだけでなく、狭くゆとりのない通路や段差などの環境が資機材搬送の生産性を阻害する要因となっている。

 こうした建設業が抱える課題に対して東急建設とTHKは、日々変化する作業環境に合わせて即座に経路変更が可能で、狭くゆとりのない通路や段差などがある建設環境でも、決められた位置に資機材を搬送できる建設現場用搬送ロボットの共同開発を進めている。

 この建設現場用搬送ロボットの導入により、作業効率が約30%向上することを目指している(この数値は、建設現場用搬送ロボットの導入によって現状7名で行う資機材搬送作業を5名で実施可能となり、削減された人員を他の作業に配置することを条件として算出)。

 開発中の建設現場用搬送ロボットは、段差や粉じんのある環境で行われる資機材の搬送作業を自動化するための搬送ロボット。日々刻々と変化する建設現場に対応するために、プログラミングの知識がない現場作業者でも、搬送経路の設定が素早く簡単にできるTHK独自の自律移動制御システム 「SIGNAS」 を搭載した。また、左右輪を独立した2個の高出力モータで駆動することで、前進、後進、旋回の動作をスムースに制御する。

「SIGNAS」 の制御イメージ「SIGNAS」 の制御イメージ

 すでに、都内の大規模マンション工事現場において、建設現場用搬送ロボットが台車に載せた1tの資機材を牽引しながら鉄板の段差を乗り越え、物の配置などの周辺環境が変化しても安定した走行ができることを確認する実証実験を行っている。

 両社では今後、建設現場用搬送ロボットの改善を進め、建設現場の生産性向上へ貢献していく考えで、段階的に試験導入の範囲を広げ、2020年春の商用化を目指す。商用化にあたっては、建設現場への導入がしやすいようレンタルでの提供を予定している。