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SEMICON Japan 2024

 

NTN、軸受の異常検知サービスを拡充

 NTNは、幅41mm×奥行36mm×高さ87mmと手のひらサイズのコンパクトで持ち運びもセットも簡単な「NTNポータブル異常検知装置」を5月から販売する。簡単操作で高度な軸受診断ができ、回転機械の定期チェックに有効。同社ではまた、本商品を用いた診断・分析レポートを提供するサービスも開始し、設備のメンテナンス性向上に向けた総合的な技術サービスを拡充していく。

NTNポータブル異常検知装置
NTNポータブル異常検知装置

 

 本商品は、測定・解析時間が約7秒と短く、また、測定する装置や環境に合わせた四つの設置方法(マグネットによる簡単設置やねじ止めによる確実な取付けなど)による取扱い性が容易で、1回の測定で、OA(計測した振動波形の全体を用い、実効値やピーク値などを算出する手法)、FFT(高速フーリエ変換を用いて周波数スペクトルを求め、入力信号を分析・解析する手法)を同時に解析可能。

 用途は、電動機械(昇降機、ポンプ、搬送機械)、製紙機械、プラント設備、工作機械、一般産業機械の設備保全、出荷検査、サービス員携帯用など広範で、2023年度に5000万円/年の販売を目指す。

 同社では、本商品を単体販売するほか、本商品を用いた診断・分析レポートなど顧客のニーズに合わせたサービスの提供も予定している。また、機械振動の測定や異常診断などに特化した技術講習会の開催など、技術サービスも拡充する。

 機械保全においては従来、技能員の経験や感覚などを頼りに行われていたが、近年は人材不足などによりノウハウの蓄積が困難になっており、機械の異常を検知するツールへのニーズが高まっている。また、予防保全の重要性に対する認識の向上により、生産ラインだけでなく、搬送や油空圧機器など付帯設備にまで状態監視へのニーズが広がってきている。

 こうしたニーズに対応するためNTNは、振動データの収集・分析・結果表示が可能な「ハンディ型異常検知装置」を2014年に開発し、市場に展開。その後、小型化と機能向上を図った「NTNポータブル異常検知装置」を2018年に開発し、市場で多くのトライアルを行う中で、さらに解析機能を改良して今回、取扱い性も高めた本商品の販売を開始することとなったもの。

 本商品の、従来品からの主な改良ポイントは以下のとおり。

・解析プログラムの最適化で測定・解析時間を約半分に短縮(約15秒から約7秒に)
・マグネットやねじ止めによる直接締結など四つの設置方法から任意に選択可能
・解析用スマートデバイスを、Androidから、iOS対応に変更
・振動ピックアップ、電池ボックス、接続ケーブルの3部品を一体化
・IP65対応

 同社は、本商品の販売を機に予防保全に対応する技術サービスを一層拡充するとともに、センシング技術やデジタル技術を活用し、機械設備のライフサイクル延長や生産効率の向上に貢献するサービス・ソリューション事業を拡大していく。

使用例
使用例