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SEMICON Japan 2024

 

空スペース、スケートボード用自律分散式転がり軸受を発売

 空スペースは、保持器を使用せずに玉同士を非接触にする技術、ADB(Autonomous Decentralized Bearing/自律分散式転がり軸受)について、スケートボード用608(22×8×7)「ナノダイヤコート シール付ADB-608VVND」の販売を開始した。価格は28000円/8個。

滑りのない純転がりのスケートボード用ADB
滑りのない純転がりのスケートボード用ADB

 

 スケートボード用ADBでは、11個の非接触セラミックボールと、転がり接触面の差動滑りを転がりに変えて摩擦を低減するナノダイヤコートを採用、超低摩擦による高速回転化によって、スケートボード競技におけるスピードやジャンプ高さの向上に貢献する。異物混入による回転の阻害を防ぐため、シール付きとしている。

 スケートボード競技は、前後に車輪がついたスケートボードに乗り、トリック(ジャンプ、空中動作、回転などの技)を行い、その技の難易度や高さ、スピードなどを評価するもので、東京2020オリンピックで新たに採用される。

 本年1月5日放映のTBS系全国ネットテレビ「凸ちゃん凹ちゃん」の企画で、スケートボードの国内大会で常にトップ10入りをしている阿部海璃選手が、一般的なベアリングを装着したスケートボードと、11個のセラミックボール、ナノダイヤコート、シールで構成されたADBに付け替えたスケートボートにそれぞれ乗ってジャンプ、高さ(膝の高さ)を計測・比較した。

 ADBを採用したスケートボードを使って、記録したジャンプ高さは約160㎝。一般的な保持器付きのベアリングを採用したスケートボードでのジャンプ高さ約125㎝に比べ、約35㎝もアップする結果となった。

 空スペースの河島壯介社長は、「これはボール同士を非接触とするADB構造に加え、転がり接触面の差動滑りを転がりに変えて摩擦を低減するナノダイヤコートを採用したことにより、転がり半分、滑りも半分の一般的なベアリングに比べ1/14という大幅な摩擦低減を実現したため。」と語る。ADB装着でのスケボーを体験した阿部選手は「速くて自分がおいてかれる感覚だった」とも話している。

 同社では、上述のADBによるジャンプ高さ向上への効果に関心を持つスケートボード選手からの要望を受けて、このほどスケートボード用ADBの発売に踏み切ったもの。

一般的なベアリングとADBの摩擦係数の比較
一般的なベアリングとADBの摩擦係数の比較