イグスは、加工しやすい汎用3Dプリンタ用フィラメント「イグリデュールI150」の改良品として、低摩擦で耐摩耗性に優れたフィラメント「イグリデュールI151」を開発した。開発した青色の新しいフィラメントは、食品業界向けに検出可能な特殊部品の製造に使用でき、FDAおよびEU10/2011に準拠していることから、食品や包装、化粧品業界での使用に適している。
同社が2017年から販売している汎用性の高い3Dプリンタ用フィラメント「イグリデュール I150」は特殊な部品をFDM方式で迅速かつ優れたコスト効率で製造できるが、このほど主に食品業界のユーザーから、このイグリデュールI150と同等の特性を持ち青色でFDAに準拠したフィラメントに対する要望があり、イグリデュールI151の開発に至ったもの。天然素材の食品には青色がないため、目視でも発見しやすい青色パーツを使用することで、万一の混入に備えることができる。
この新しいフィラメントは、耐摩耗性に優れた部品のプリントに適している。固体潤滑剤が含まれ低摩擦のため追加の潤滑剤が必要なく、潤滑剤の流出による汚染の心配もない。本フィラメントで造形したプリント部品はFDAおよびEU 10/2011の要件に準拠しているため、食品・包装業界および化粧品業界での使用に適している。イグリデュールI151は、ノズル温度を250℃に設定できる3Dプリンタで使用可能。
イグリデュールI151は、安定性、靭性、層間接着性において、イグリデュールI150に匹敵する機械的特性を有している。また、イグスの社内試験施設で行った摩耗試験では、ABSやナイロンなどの標準的なプラスチックの50倍の耐用年数を記録。この新しいフィラメントは、同社のオンラインショップでロール状の材料として購入できる。また、同社の3Dプリントサービスから、耐摩耗性の特殊部品の製造を依頼することも可能。STEPデータをアップロードし、材質を選択、価格を算出するだけで、耐摩耗性を備えたカスタム部品を直接注文できる。