THKは、半導体製造に用いられる縦型炉向けの地震対策として、中小地震から大地震までワイドレンジに対応する新機構を搭載した新型の免震台「縦型炉用新型免震台」を開発し、10月より受注を開始した。
縦型炉用新型免震台は、中小地震(およそ震度33~5弱)では縦型炉内にあるウェハーの欠陥の低減を担保し、大地震(およそ震度5強以上)では縦型炉本体と石英パーツを保全することで、幅広い地震動に対応が可能な免震台となっている。
従来からの免震台は、主に大地震が発生した際に、縦型炉本体の損傷を防いで機能を維持することを目的としていた。一方で、発生頻度が高い中小地震でも縦型炉内にあるウェハーに欠陥が生じることがあり、生産への影響が懸念されるため、半導体業界では以前から、その対策への要望が強かった。THKではこうしたニーズに対応するため、中小地震から大地震までワイドレンジに対応可能な縦型炉用新型免震台を自社開発したもの。免震性能切替機構を備えており、地震発生後、短期間での生産再開に貢献できる。
開発品の特長は以下のとおり。
・二段階可動方式を用いた新機構を採用:同社の従来型免震台よりも低い加速度で起動し、特定の可動域を超えると免震性能が切り替わる二段階の特性を有し、揺れの大きさに応じた個別の免震性能を発揮させることが可能
・縦型炉の仕様に合わせたカスタマイズ:縦型炉の荷重を支える支承ユニットを複数配置し、各支承ユニットは鋼製フレームとプレートで連結する構造のため、搭載する縦型炉の形状や仕様に合わせて自由度の高い設計が可能
・3種類の支承ユニットを展開:支承ユニットは、減衰・復元機構、免震性能切替機構の有無で3種類をラインアップ。各支承ユニットの組み合せにより、最適な性能を発揮する免震台を構成することが可能