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SEAJ、半導体・FPD製造装置需要予測を公表、全装置の日本製装置販売高は2028年度に8兆円超えへ

 日本半導体製造装置協会(SEAJ)は7月2日、2026~2028年度の半導体製造装置およびFPD製造装置の需要予測を公表した。今回の予測は、SEAJの半導体調査統計専門委員会およびFPD調査統計専門委員会による需要予測と、SEAJ理事・監事会社20社による市場規模動向調査結果を総合的に議論・判断し、SEAJの総意としてまとめたものである。

 冒頭挨拶に立った河合利樹会長(東京エレクトロン 社長)は、「初めに昨年度を振り返ると、日本製半導体製造装置の販売高は、対前年比9%増の5兆1986億円となり、初めて5兆円を超えた。また、FPD製造装置の販売高は、同6%増の3596億円となった。これまで、世界の半導体市場は2030年頃に1兆ドルを超えるとの見方が主流であったが、6月のWSTS(世界半導体市場統計)の発表によれば、2026年の世界半導体販売高は1.5兆ドル規模まで拡大する見通しである。その背景にあるのが、社会におけるAIの実装の加速である。近年の生成AIの普及や、エージェントAI、フィジカルAIの登場を機に、AIの利活用は日増しに拡大し、私たちの生活とこれまでにないほど密接なものとなっている。さらに今後は、量子コンピューターや次世代通信規格である6G、7Gなどの技術革新が、私たちの暮らしをより良い方向へ変革させる可能性を秘めている。一方で、課題もある。AIの普及に伴い、データセンターの需要が急速に増加している。そのため、データセンターの電力消費は2030年には現在に比べて約130%増加し、再生可能エネルギーの導入が進むものの、CO2排出量も80%増える恐れがある。データセンターは、今や社会を支える重要なインフラである。そのため、地球温暖化への対策が一層求められている。未来に向けて、デジタル化と脱炭素化の両立が社会の共有価値となる中、デジタルの力によって社会システムそのものを効率化し、グリーンな社会を実現していく「Green by Digital」と、データセンターなどのデジタルインフラの省エネルギー化を進める「Green of Digital」の双方の実現には、半導体の技術革新が欠かせない。世界のインフラの中核を担う半導体には、高速・大容量、高信頼性、低消費電力化など、継続的な高性能化が求められている。そして、それを支える半導体製造装置市場は、今後も大きく成長していくことが予想される。このように半導体産業が拡大していく中で、各企業の社会的責任も大きくなっている。当協会は、サステナブルな社会の実現のために、半導体・FPD製造装置を取り巻くグローバルな市場変化に適切に対応し、業界および産業の発展につながるよう、精一杯努めていく所存である」と述べた。

挨拶する河合会長
挨拶する河合会長

 半導体製造装置の日本製装置販売高は、2026年度に前年度比26%増の6兆5502億円、2027年度に同13%増の7兆4017億円、2028年度に同5%増の7兆7718億円と予測した。AIサーバー向け先端ロジックの旺盛な投資に加え、HBMを中心としたDRAM投資の大幅増加が市場を押し上げる。2027年度以降は、新規Fabの建屋が順次完成し、装置搬入環境が整うことも成長要因となる。

 半導体産業では、AIデータセンター投資の拡大を背景に、GPUやアクセラレーター向けの先端ロジック需要が極めて旺盛である。加えて、HBM、汎用DRAM、AIサーバー向けSSDの需要増により、メモリー分野でも供給制約と価格上昇が続いている。今後は、Agentic AIへの対応に伴うCPUおよびDRAM需要、推論高速化や長期記憶用途でのSSD需要拡大も見込まれる。技術面では、GAA構造の進化、裏面電源供給(BSPDN)、DRAMの微細化、NANDフラッシュの高積層化に加え、ハイブリッドボンディングやヘテロジニアスインテグレーションなど、前工程・後工程の両面で先端技術投資が拡大する見通しである。こうした半導体の高性能化、低消費電力化、大容量化への要求が、製造装置市場の中期的な成長を支える。

 半導体製造装置の日本市場販売高は、2026年度に前年度比10%増の1兆5835億円、2027年度に同15%増の1兆8210億円、2028年度に同25%増の2兆2763億円と予測した。2028年度は大手ファウンドリーの第二期投資、2nmロジックの量産体制整備、メモリー投資の拡大が重なることで、日本市場として初めて2兆円を超える見通しである。

 一方、FPD製造装置の日本製装置販売高は、2026年度に前年度比5%減の3416億円、2027年度に同3%減の3,314億円と慎重な見方を示した。半導体メモリー価格の高騰により、PC各社の部品調達コストが上昇していることから、PCやタブレットなどIT製品向けパネルのOLED化は若干後ろ倒しになる見通しである。2028年度は、先送りされていたG8.6基板OLED投資が本格的に再加速し、同27%増の4209億円を見込む。

 半導体およびFPD製造装置を合わせた日本製装置販売高は、2026年度に前年度比24.0%増の6兆8918億円、2027年度に同12.2%増の7兆7331億円、2028年度に同5.9%増の8兆1927億円と予測した。2025~2028年度の年平均成長率は13.8%となる。半導体製造装置が市場全体をけん引する一方、FPD製造装置は2028年度以降のOLED投資再加速が回復の焦点となる。

日本製装置販売高予測