NTNは、同社が開発した「低トルクシールリング」で、日刊工業新聞社主催の「2016年“超”モノづくり部品大賞 環境関連部品賞」を受賞した。
「低トルクシールリング」は低トルク、低摩耗、低オイルリークを実現した自動車用トランスミッション向け商品。トランスミッションの油圧回路内で相対運動する軸とハウジングの間に組み付けられ、すべり運動しながらオイルを密封する役割を果たす。特殊充填材を配合したPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂製で、幅面に設けたV字状の潤滑溝による動圧効果により、同社従来品比で60%減の低トルク化を実現した。また、従来品同等のシール特性を維持しながら、シールリングの摩耗量も従来品比1/10以下に低減している。
今回は、「低トルクシールリング」がトルク低減によるトランスミッションの高効率化により、自動車の低燃費化に貢献することが評価されたもの。自動車の燃費基準がますます厳しくなる中で、多段化が進む自動車用トランスミッションへの需要拡大が期待されており、環境負荷を低減する部品であるとして、今回の受賞につながった。
低トルクシールリング