日本自動車工業会(自工会)、日本自動車部品工業会(部工会)、日本自動車車体工業会、日本自動車機械器具工業会の自動車工業4団体は1月7日、東京都港区のグランドプリンスホテル新高輪国際館パミールで、「2019年自動車工業団体新春賀詞交歓会」を開催した。
冒頭挨拶に立った豊田章男・自工会会長(トヨタ自動車 社長)は、自動車保有にかかる「自動車税」の恒久減税に関する関係者の努力に感謝を述べ、ものづくりの力を失わずに多額の税金を払える産業でい続けられるよう100年に一度の変革をチャンスに変えていきたいとしたうえで、「自動車産業を興した先人たちは、日本というホームカントリーを笑顔にしようと頑張り、その後は世界各国で、その地をホームタウンと考えながらそこに住む人々をも笑顔にするような車づくりを続けてきた。2019年からは、車そのもののモデルチェンジという、今まで経験したことのない我々自身の大きな変革に向かっていく。車が“つながる”ようになった先には、今までのホームタウン、ホームカントリーという想いは大切に引き継ぎながらも、それをオーバーライドする“ホームプラネット”という大きな傘となるビジョンが必要になってくるのではないかと思う。我々、日本の自動車産業としては、ホームプラネットという想いも新たに意識しながら、さらに多くの笑顔のために、全員で、力を尽くす1年にしていきたい」と語った。
挨拶する豊田章男会長
続いて来賓の挨拶に立った関 芳弘・経済産業副大臣は、「自動車産業の市場拡大につなげるよう、欧州向け自動車(四輪車・二輪車)・自動車部品の関税撤廃に向けた日本とEU(欧州連合)のEPA(経済連携協定)やTPP11(環太平洋パートナーシップ協定)、RCEP(東アジア地域包括的経済連携といった交渉を強力に進めている。一方で、設置した自動車新時代戦略会議では、“2050 年までに世界で供給する日本車について世界最高水準の環境性能を実現する”ことを長期ゴールとするアクションを進めていく。製造業の2割を占める日本の基幹産業であり540万人の雇用者を抱える自動車産業の成長を今後もバックアップし、日本国民の生活の先行きを明るくしていきたい」と述べた。
また、石井啓一・国土交通大臣は「自動車産業は100年に一度の大変革を迎えている。自動運転の普及に向けては、2020年時点でのレベル3達成に向けた技術開発を後押しするとともに、安全に関する国際統一基準の策定で世界をリードしていく。一方で、“サービスとしてのモビリティ(MaaS)の日本版など自動車のあり方について議論を進める。2020年の東京オリンピックでは、日本の先進の自動車技術・システムを世界に示したい」と語った。