ジェイテクトは、鉄鋼設備の中でも硬質材の圧延や極薄圧延が可能な多段圧延機のバックアップロール(BUR)として使用される軸受について、使用環境に適した高性能高密封軸受を開発した。
同社国分工場とグループ会社の光洋シーリングテクノで生産。同社では、使用環境に適した軸受の開発により安定操業に貢献するとともに、国内外のプラントメーカーと製鉄所に提案を進め、4億円/年の販売を目指す。
圧延処理は圧延水をかけながら行われるため軸受内部に水分や異物が浸入しやすく、浸入した異物が軸受内部のはく離や錆を引き起こすなど軸受破損や短寿命の原因となることから、この過酷な環境に耐えうる高い密封性を持つ軸受の開発が求められていた。
多段圧延機/多段圧延機(BUR)
開発品は、高剛性シールプレートを改良することにより、軸受内部への圧延水や異物の浸入を96%抑えることに成功した。
また、多段圧延機は、安定した操業を実現するのに定期的な洗浄などのメンテナンスが不可欠だが、本開発品においては洗浄時間の大幅な減少にも成功している。
開発品断面図
密封構造内への異物侵入量(質量)比較
BUR用軸受変遷/開発のポイント ※1 JHSはジェイテクト・ハイパー・ストロングの略でジェイテクトの登録商標