日本精工は、ドバイの地下鉄車両、ドバイ・メトロの駆動装置用軸受を受注した。
鉄道用軸受は、安全運行に直接影響する重要保安部品で、様々な環境下での信頼性と長期間の耐久性が要求される。
2009年に開通した、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで運行しているドバイ・メトロは、世界で最も長い距離を走行する無人鉄道の一つで、人々の移動の選択肢を増やしてきたが、ドバイ・メトロには50℃近い気温、塵埃を含んだ強風や潮風など、過酷な環境下でのより一層の信頼性が求められていた。
日本精工は高品質な製品と技術サービス力によって新興国事業の拡大に取り組んでおり、ドバイには2012年に販売拠点を開設し、現地特有のニーズを満たす迅速なサポート対応を可能にしている。今回、日本精工の欧州テクノロジーセンターと連携した現車を使った振動解析や試験車両に使用した軸受の評価など、現地でのきめ細かな技術対応とこの分野での豊富な採用実績によって、補修用軸受の受注につながったもの。
鉄道車両を駆動する主電動機の出力を車軸へ伝達する駆動装置は、線路と車軸の間で発生する大きな振動を受ける。この駆動装置のギヤ軸を支持する軸受には、過酷な振動下でも長期間使用できる高い信頼性が要求される。ドバイ・メトロの駆動装置に使用される円すいころ軸受は、最適な材料選定や耐つば焼付き仕様などの専用設計、高強度保持器の適用などにより、充分な耐久性と信頼性を実現している。