ジェイテクトは、鉄鋼設備の環境改善に寄与する目的で軸受の潤滑手段としてオイルミスト潤滑からオイルエア潤滑への置換えを進めてきたが、このほど10分配レベルのオイルエア多岐分配システムを開発した。これにより、日本センヂミア製Z-highミルサイドサポート軸受に適応するオイルエア潤滑システムへの適用を可能とした。
本年12月から販売を開始、国内の鉄鋼メーカーや設備メーカーに提案を進め、4000万円/年の売上を目指す。
同社では鉄鋼業界において、今回開発した多岐分配システムを含めた軸受、オイルシールなどの総合システムサプライヤーとして、顧客の安定操業に貢献していく考えだ。
欧州を中心とした近年の鉄鋼設備の環境改善に対する需要の高まりを受け、軸受の潤滑システムとして関心が高まっているオイルエア潤滑は、油滴状のオイルを高圧の空気による摩擦で軸受内部に搬送する。このため、余剰オイルの空気中への排出が少なく、また他の方法と比べるとオイル消費量を最小限に抑えることができるため、作業環境の改善と、オイル使用量の削減による環境負荷の低減が実現できる。
ジェイテクトでは、1990年からオイルエア潤滑技術の開発に着手しており、様々な技術課題に取り組んできたが、今回、特に需要のある日本センヂミア製Z-highミルサイドサポート軸受のオイルエア潤滑化に取り組み、小径軸の中で多岐に分配できるシステムを開発したもの。
開発品の特徴は、以下のとおり。
1.軸受内の正圧化による高い密封性確保や、高粘度油、極圧油の適用による高い潤滑性能により、過酷な環境下での摩耗・損傷を大幅に改善
2.最少油量での潤滑による運転コスト改善や、オイル回収が可能(設備周辺環境を改善)など、設備保全を改善
3.小径配管による容易な配管摂設計や、少数給油から多点給油までの幅広いシステム設計など、容易な適用性