THKは、内外輪一体形の安定構造によって組付けの大幅な時短化に貢献するクロスローラーリング「RBU形」を新たにラインナップとして追加する。
クロスローラーリングは、内外輪の間に円筒ころ(ローラー)がスペーサリテーナを介して交互に直交配列されているため、あらゆる方向の荷重(ラジアル荷重、アキシアル荷重、モーメント荷重)を負荷することができるとともに、高い回転精度が得られる。こうした特徴を有するクロスローラーリングは、産業用ロボット、工作機械、減速機をはじめ、高剛性、高精度な回転運動を必要とする装置の旋回用軸受として広く採用されている。
昨今、自動化・省人化の後押しを受けて世界的に出荷台数を伸ばしている産業用ロボット、減速機の生産現場では、組付けの作業効率を上げるために作業工程の見直しや改善が求められている。さらには、同じ人員で一層の生産性向上につなげる体制づくりが急務となっている。クロスローラーリングは高精度な回転運動が得られる一方で、シビアな組付作業が要求されるため、組付けの経験を重ねることが必要とされ、従来は作業効率を上げることが難しかった。
これに対しTHKは、クロスローラーリングの組付けの時短化に貢献すべく、内外輪一体形の安定構造を有しつつ、性能面でも安定した回転精度・回転トルクを併せ持つクロスローラーリングRBU形を新たにラインナップとして追加する。
製品ラインナップは軸径φ20~190からなる全24形番を展開。また、既存形番のRB形とは寸法に互換性があり、設計変更を伴わずにRBU形への簡単な置換えが可能となっている。
特徴は以下のとおり。
・容易な組付調整 細かい組付調整が不要なため、装置への組付けが容易で、時間短縮に貢献。産業用ロボットの関節部や旋回部、そして減速機の組付けなどでは、生産台数が多ければ多いほど、抜群の時短効果を発揮する
・軸受性能の安定化を実現 内外輪一体形構造のため、外輪分割形のRB形と比較し部品剛性が向上しているため、ハウジングの精度や剛性の影響を受けにくく、安定した性能が得られる
・既存形番であるRB形とは寸法に互換性があり、設計変更を伴わずに簡単に置換えが可能
・軸径φ20~190からなる全24形番の豊富なラインナップ
THKは今後も、独自の新製品開発を通して、あらゆる分野の自動化・省人化需要に応えるとともに、生産性向上、工程改善のためのソリューションを提案していく。