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NTN、2022年“超”モノづくり部品大賞(大賞)を受賞

 NTNは、モノづくり日本会議と日刊工業新聞社が主催する「2022年“超”モノづくり部品大賞」において、世界最高水準の伝達効率により自動車の省燃費・電費化に貢献する固定式等速ジョイント(CVJ)「CFJ」により「“超”モノづくり部品大賞(大賞)」を受賞した。

NTN 高効率固定式等速ジョイント「CFJ」 bmt ベアリング&モーション・テック

 

 CVJはエンジンやモータなどのパワートレインユニットの動力(トルク)をタイヤに伝えるドライブシャフトの構成部品で、タイヤ側に使用される固定式CVJには高い作動角を取りながら、回転を等速に維持してトルクを伝達する機能が求められている。従来のCVJにはトルク伝達時に内部部品にかかる力が一方向に片寄ることでトルク損失が大きくなるという課題があり、その損失は作動角が大きいほど増加する傾向にあった。

 同社のCFJは従来のCVJの基本構造を大きく変え、内部部品にかかる力を相殺する独自の「スフェリカル・クロスグルーブ構造(ボールが通る転動溝を内輪・外輪で互いに交差させた構造。隣り合う転動溝を互い違いに傾斜させることで、ボールが内部部品を押す力の向きを交互に振り分け、互いに相殺させる)」を採用。本構造の適用により、従来品が持つ世界最高水準の軽量・コンパクト性、最大47°の作動角度はそのままに、トルク損失率を50%以上低減、さらに高作動角時においてもトルク損失率の増加を大幅に抑えることが可能となっている。

 脱炭素社会化を背景に、自動車業界においてCO2排出量の削減や省燃費化・省電費化に向けた取組みが加速する中、自動車部品の高効率化が急務となっている。CFJは従来品の軽量・コンパクト性を維持しながらトルク損失率を従来品比で50%以上低減し、自動車の燃費改善やCO2排出量の削減に大きく貢献するが、こうした環境貢献度に加え、世界最高水準の高効率性を実現した「スフェリカル・クロスグルーブ構造」の技術の独創性などが高く評価され、今回の受賞となった。