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エボニック、シンガポールに工場を新設しアルコキシド事業をグローバル規模で展開

 エボニック インダストリーズ(エボニック)は、東南アジアでアルコキシド製造プラントを新設する。新プラントはスコープ1および2の炭素排出量ゼロを目指す最先端技術を備えた近代的な施設で、シンガポール・ジュロン島にあるエボニックの拠点に設置される予定。数十億円規模の投資を行い、東南アジア地域の顧客への供給安定性を高め、グローバル規模でアルコキシド事業の強化を図る。操業開始は2024年末を予定、年間生産能力は10万t。

 同社は、主にバイオディーゼル製造や製薬・農業分野での合成に使用されるアルコキシド触媒の需要拡大に対応するため、製造能力の拡充に取り組んでおり、将来的にはアルコキシド触媒はPETプラスチックのケミカルリサイクルにも使用され、循環型経済において大きな役割を果たすことが期待されている。

 触媒部のシニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーを務めるサンジーヴ・タネージャ氏は、「アジア太平洋地域は当社の触媒事業にとって主要な地域であるとともに、東南アジアは当社の成長において重要な役割を果たしている。この投資はまた、顧客満足度と供給の信頼性を高めるために、グローバルな視点で地域に根ざした活動を行うという顧客中心のアプローチに取り組む当社の姿勢を明確に示すことができた」と述べている。

 アルコキシド製品ラインのグローバルヘッドを務めるアレクサンダー・ヴェーバー氏は、「当社はすでに、ヨーロッパ・北米・南米に主要なアルコキシド製造施設を持つ。すべての関連市場に対して地域に根ざしたサービスの提供を行うグローバル供給ネットワークにおいて、アジアはこれまで欠けていた部分」と説明する。

 アジア太平洋地域のアルコキシド事業ディレクター、 フー・ソン氏は、「シンガポール・ジュロン島という戦略的な立地から、非常にダイナミックなアジア太平洋地域におけるアルコキシドの需要拡大や、『サステナブル・ジュロン島』計画に対応し、顧客のカーボンフットプリントの削減をサポートする」と述べている。