THKは、OEE(設備総合効率)最大化プラットフォーム「OMNIedge(オムニエッジ)」 の直動部品向けソリューションとして、新たなAI診断サービス「ADV」の提供を開始する。閾値設定不要で状態変化と異常度をAIがスコア化し、分析レポートを提供できる。
製造装置の心臓部に欠かせないLMガイド、ボールねじなどの直動部品は、高品質・高剛性で頻繁に故障することはないが、突然故障するといわゆる“ドカ停”を引き起こし、工場稼働の大きな生産ロスを発生させる。定期的に給脂などのメンテナンスをこまめに実施しておけば故障予防にもつながるが、設備や機器の台数が増えれば増えるほど、突発的な故障で生産に大きな支障をきたさない予防保全が求められる。その一方、部品交換などのメンテナンスは熟練技術者の経験や勘頼りで今でも属人的な対応がなされている中で、デジタル技術を駆使し簡単にメンテナンスのタイミングを見極めたいと考えるマシンユーザは少なくない。
そうした背景から、同社では2020年から、直動部品にセンサを後付けすることで破損と潤滑状態を数値化するソリューションOMNIedgeを提供してきたが、今回AIによる診断サービスADVを追加した。
ADVにはヘルススコアを算出するAIアルゴリズムが採用されており、ユーザーがこれまで苦労してきた閾値の設定が不要となり、各種データからヘルススコア(異常度)を算出して直動部品の状態を判断する。ADVは変化と異常を検知するだけでなく、データを分析し、メンテナンスレポートを提示することで、多台数の設備保全を担っているお客様の保全活動を劇的に効率化する。また、従来の破損、潤滑の状態を数値化する機能と併用することで、直動部品の破損やメンテナンスタイミングの判断においても脱・属人化にも寄与する。
同社では、センサ提供だけでなくAIを使った様々なサービスを包括的に提供することで、ユーザーとのエンゲージメントをより強固なものへと高めていく。さらに、製造現場で発生するロスを削減して設備総合効率(OEE)の最大化に貢献するIoTソリューションを提供していく。
ADVの特長は以下のとおり。
1.閾値の設定が一切不要:従来は各パラメータに対して閾値の設定が必要だったが、AIがヘルススコアを算出するため設定が不要。設備ごとの異なる閾値設定で悩みを抱えている人に最適
2.デジタルとアナログの融合:AIが値の変化から異常を捉え、直動部品を熟知したスペシャリストがメンテナンスレポートを作成し提出。直動部品のリーディングメーカーである同社がデータを分析してレポートを提出するため、明確で分かりやすい運用ができる