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SEMICON Japan 2024

 

THK、SMCとハーモニック・ドライブ・システムズ、第2回 3社合同メカトロニクスショーを開催

 THKとSMC、ハーモニック・ドライブ・システムズの3社は「直動転がり案内」「自動制御機器」「精密制御用減速機」における業界のリーディングカンパニーとして、8月31日と9月1日の両日、東京都港区の東京ポートシティ竹柴 東京都立産業貿易センター浜松町館で、「第2回 3社合同メカトロニクスショー」を開催した。

第2回3社合同メカトロニクスショー 会場の様子 bmt ベアリング&モーション・テック
会場の様子

 

 初日の8月31日には、オープニングセレモニー後に3社社長による座談会が開催された。ロボットを導入して自動化を推進する中での、人材に求められる要件などについて意見が交わされた。

 寺町彰博THK社長は、究極の自動化である無人化の段階においては、コストダウンを度外視しても将来につながる技術を職人的に開発していく人材や、出来上がった技術を自動化に組み込んでいく人材など、より知能ベースの人材へと変わっていく必要があり、人が活躍する労働環境を日本が先陣を切って作っていくべき、と語った。

 髙田芳樹SMC社長は、究極の自動化の段階でも、完全に機械任せにするのではなく、ここから先は人間の脳を使うといった線引きが必要、と述べた。

 長井 啓ハーモニック・ドライブ・システムズ社長は、人手不足問題を解決するために人の作業を完全に肩代わりできるロボットを導入し無人化できたとしても、人が担う必要のある作業は必ずあり、その段階で人がどのような思想を持って臨むかが重要、と言った。

第2回3社合同メカトロニクスショー 3社社長座談会の様子 bmt ベアリング&モーション・テック
3社社長座談会の様子

 

 当日はまた、各社によるセミナーが以下のとおり行われた。

・「「掴む」の最新動向」…SMC

・「「省エネ化」「省人化」「自働化」を実現するTHK直動システム技術紹介」…THK 

・「ハーモニックドライブの挑戦 ~産業そして宇宙開発~」…ハーモニック・ドライブ・システムズ

 二日目の9月1日には、ジェイ・ウィル・コーポレーション 佐藤雅典社長による基調講演「日本の中堅・中小製造業の可能性」がなされたほか、3社連携デモ機 技術者座談会、会社説明会(就活生向け)、先輩社員座談会・質問コーナー(就活生向け)などが行われた。

 両日にまたがって開催された展示会では、THKがさまざまなワークの凹凸に合せて12本のシャフトをならわせてロックする“ならい機構”を採用したロボットハンド「ならいハンドシリーズ(TNH)」や、自由度の高い多指ハンドにカメラを搭載し多種アイテムをピッキングできる「見る・取る・移す」をオールインワンにしたピッキングロボットハンドシステム(PRS)などを紹介した。

第2回3社合同メカトロニクスショー THK「ならいハンドシリーズ(TNH)」 bmt ベアリング&モーション・テック
THK「ならいハンドシリーズ(TNH)」

 

 SMCブースでは、省エネ、協働ロボット、トピックスなどのゾーンを設けて展示。省エネ製品としては、空圧駆動の自動制御機器に使用される増圧ポンプで、増圧時に消費するエアを従来品比40%低減することに成功した「省エア増圧弁 VBA」を、協働ロボット関連では、エアグリッパ、真空グリッパ、マグネットグリッパなどの「協働ロボット用グリッパ」を紹介した。

第2回3社合同メカトロニクスショー SMC「省エア増圧弁 VBA」 bmt ベアリング&モーション・テック
SMC「省エア増圧弁 VBA」

 

 ハーモニック・ドライブ・システムズのブースでは、ドライバ内蔵によってコンパクト化や省配線化が図れる上、CANopen、Ethernet、EtherCAT対応の高速通信・制御が可能な中空シャフトアクチュエータ「ドライバ内蔵アクチュエータ(IHD)」や、高精度な指先位置制御と操り制御を実現するためサーボモータとハーモニックドライブ®減速機を組み込み、低バックラッシュ駆動を実現する「ヒューマノイド指モジュール」などを参考出品した。

第2回3社合同メカトロニクスショー ハーモニック・ドライブ・システムズ「ドライバ内蔵アクチュエータ(IHD)」 bmt ベアリング&モーション・テック
ハーモニック・ドライブ・システムズ「ドライバ内蔵アクチュエータ(IHD)」

 

 両日ともまた、「コストパフォーマンス、親和性の高いデザイン、コンパクトサイズ+実用性」をコンセプトに掲げた、3社連携による協働ロボットのデモンストレーションが実施された。

 このコンセプトを実現するため、THKインテックスの移動型 人協働双腕ロボット「Fillie(フィリー)」をベースに、SMCはエア供給チューブ1本、電気配線1本を接続するだけで動作可能な協働ロボット用エアグリッパ「RMHシリーズ」と、1台で正圧または真空圧(真空ポンプ)として使用可能なコンパクトコンプレッサ「CRPシリーズ」を提供。

 ハーモニック・ドライブ・システムズはまた、小型・高トルク・高位置決め精度の減速機「ハーモニックドライブ® CSFシリーズ」を提供した。関節部の張り出しを抑え駆動用モータの小型化に貢献するほか、中空構造が可能なためモータやセンサのケーブルなどを通せて設計の簡素化につながり、さらにゼロバックラッシが生み出す高い位置決め精度により、人に代わってロボットが行う細かい作業を可能にする。

第2回3社合同メカトロニクスショー 3社連携デモンストレーションの様子 bmt ベアリング&モーション・テック
3社連携デモンストレーションの様子