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SEMICON Japan 2024

 

TRAMI、第7回公開フォーラムを開催

 自動車用動力伝達技術研究組合(TRAMI、理事長:日産自動車・平工良三氏)は11月19日、東京都港区の東京都立産業貿易センター浜松町館 3階北会場での対面開催とオンライン開催により、「第7回公開フォーラム」を開催した。

TRAMI 第7回公開フォーラム 開催のようす bmt ベアリング&モーション・テック
開催のようす

 

 TRAMIは2018年4月、駆動・電動技術の産学連携基礎研究を行うことにより、学のサイエンス進展と産学人材育成を推進し、日本の産業力の底上げと持続的な科学技術の発展に貢献することを理念として発足した。現在、組合員は主要自動車会社およびサプライヤー12社で構成。東京理科大学 佐々木研究室(主宰:佐々木信也教授)や横浜国立大学 中野研究室(主宰:中野 健 教授)など32の大学の研究室と連携して活動を進めている。

 7年目の活動となるTRAMIの今回のフォーラムでは、システム・ユニットに大きく近づくTRAMIの2025年度研究方針やシナリオに加えて、以下の講演がなされた。

 石巻専修大学 梅山光広教授による石巻での産学連携についての特別講演「若者世代と一緒に未来の街を考える~モビリティ・環境・エネルギー・コンパクトシティ~」では、若者世代に負の遺産を引き継ぐことのないよう、フューチャーデザイン=未来人になって考えることが必要で、大学の研究でも学生たちとの対話によって進めている現状を説明。都市と都市の間など遠距離の移動は公共交通を使い、街中など近距離の移動は低速モビリティを利用するといった「乗り換え」を前提とした交通手段の使い分けが大切との見地から進めている電動モビリティ(中古ハイブリッド車のEV化や電動ゴーカートの機械学習による自動運転、ほか)の研究開発や、エネルギーを利用する場所の近くで「地産地消」することが重要との考えから進めている気象予測を活用した大学構内での風力・太陽光ハイブリッド発電などの話題を紹介した。

 中央大学 戸井教授によるTRAMIの委託研究テーマ「電動車 快音化指針の構築」についての発表では、電動化により暗騒音が低下していく中で、モータノイズとギヤノイズの音量の評価指針を定義、電動車としての車室内に価値を与えるための音、音質を研究する目的で、高周波音の音量の評価指針の研究(定常~8kHz)、高周波音の音量の評価指針(過渡~8kHz)、音と物理指標の研究、高周波音の音量の評価指針(定常 過渡 8~20kHz)、音と人間特性の研究、価値を生み出す音,音質の定義を実施したことが報告された。

 また、TRAMIの2025年度の研究方針では、TRAMI研究のコアとなる超高回転電動PTユニット(主要3要素:減速機、モータ、インバータ)のTRL(技術成熟度)を深化しTRL3(サブユニットレベル台上実証・サブユニットシミュレーション実証)~5(試作ユニットレベル(車載想定)台上実証・車載シミュレーション実証)を重点化、TRAMI研究成果の実用化を促進すると打ち出した。具体的には、超高回転電動PTユニット「小型・軽量・高効率」実現技術を確立し、TRAMI会員各社で製品化・量産化を実施、日本企業の競争力の高い製品開発研究に活用する。

 会場のみでの開催となる第2部ではポスターセッションを実施、機械摩擦・熱研究や計測技術研究、電動化研究など各研究分野の研究シナリオとロードマップの説明がなされたほか、企画書パネルや実機などを囲んでの研究メンバーと参加者とのディスカッションが行われた。

TRAMI 第7回公開フォーラム ポスターセッションのようす bmt ベアリング&モーション・テック
ポスターセッションのようす