2025年06日17日(火)
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東京理科大学・佐々木研究室(主宰:佐々木信也 教授)が主催する「トライボサロン」(https://www.tribo-concierge.com/topics/296/)の第32回目が6月14日、東京都葛飾区の同大学 葛飾キャンパスでのオンサイト参加とオンライン参加からなる、ハイブリッド形式によって開催された。

トライボサロンは、に関係する情報・意見交換の場として、毎月1回のペースで開催されている。もともとは佐々木研究室の博士課程学生の勉強会として発足し研究成果の発表や最新の研究動向などに関する意見や情報交換を重ねてきたが、2022年9月からは佐々木研究室に限らず広く参加の戸を開き、関係者のネットワーク作りも目的の一つとして活動している。
第32回目となる今回のトライボサロンでは、ENEOS・髙木智宏氏が、「塑性加工における硫黄系極圧剤の潤滑特性」のテーマで話題提供を行った。髙木氏は現在、冷凍機油の研究開発に従事しているが、ここでは、塑性加工油の研究開発を行っていた際の、塩素フリー加工油に関するデータの一部を紹介した。塩素化パラフィンといった塩素系極圧剤は潤滑性能に優れるが、環境負荷物質とされている。同社が開発したステンレス鋼のしごき加工に対応した塩素フリー加工油は、塩素系加工油と同等の金型(工具)寿命を達成している。また硫黄系極圧剤が重要な添加剤として挙げられ、硫黄系極圧剤の分子構造と潤滑特性に関する基礎検討の内容も紹介された。硫黄系極圧剤は、評価方法(摩擦試験)によって最適な分子構造が異なることなど述べられていた。
トライボサロンに関心のある方は、以下のURLを参照されたい。
https://www.tribo-concierge.com/topics/296/