NTNは、インド市場における事業成長の加速とグローバル競争力の強化を目的として、連結子会社NTN NEI Manufacturing India(NNMI)のバワール工場において、等速ジョイント(CVJ)内部部品の現地調達化およびR&D体制の構築に向けて戦略的な投資を実施している。
インド市場は、自動車をはじめ、鉄鋼やエネルギー、建設機械など産業機械各分野においても著しい成長を遂げており、世界有数の経済成長国として、当社にとって極めて有望かつ戦略的な重点市場となっている。特に自動車分野では、乗用車販売台数の増加に加え、EV化や高効率化の進展によりCVJをはじめとする自動車部品についても高度な技術要求が高まっており、現地における開発・供給体制の強化が急務となっている。
NTNは2005年にインドにおける事業を開始し、自動車向けCVJやアクスルベアリング(軸受)、産業機械向けベアリングをインド市場向けに供給している。CVJについては、NNMIのバワールおよびチェンナイの2工場で生産を行い、主に日系自動車メーカー向けに供給することで市場シェアを着実に拡大してきた。
今回の投資では以下の施策を実施している。
・CVJ 商品の現地内製化推進:NNMIのバワール工場にCVJ内部部品の加工設備を新設。現地調達率を60%から85%へと向上させ、納期の短縮とコスト競争力の強化を図る
・R&D体制の構築と技術対応力の向上:インド国内に設計・試験設備を導入するとともに人員を拡充し、CAE解析や耐久試験などの技術対応を現地で完結できるR&D体制を構築。本年4月から現地による技術対応を開始しており、来年には試作から評価試験までを現地で対応できる体制を整備する。迅速な対応と技術提案力、顧客サポート力の向上を図る
・EV 対応商品の開発強化:静粛性・高効率・軽量化など、EV特有のニーズに対応する高機能CVJ商品の開発を進め、インド市場への展開を加速
NTNでは、インドにおいて、自動車分野に加え、鉄道車両、風力発電、工作機械などの産業機械向けにも軸受を供給しており、これらの分野でも需要が拡大している。特に鉄道分野においては、電食対策として絶縁軸受のニーズが高まっており、NTNの「メガオームシリーズ」は高品質な絶縁性能を持つ商品として注目されている。また、これらの技術はEV用モーターなどへの応用も可能で、今後の市場拡大が期待される。
NTNは今後も、コスト・納期・技術サービスの充実を通じて競争力を強化するとともに、高効率化や軽量化などの技術ニーズに対応した高付加価値商品の開発・供給を推進し、インド事業のさらなる拡大と、持続可能なモビリティ社会および各種産業機械市場の発展への貢献を目指していく。


等速ジョイント(CVJ)

