日本精工( http://www.jp.nsk.com 、NSK)は、新興国市場の自動車用マニュアル・トランスミッション向けに、軸受内部に異物が混入しないように密封性を高めた「高信頼性クラッチレリーズ軸受」を開発した。同品で2018年に15 億円の売上を目指す。
自動車用マニュアル・トランスミッションには、変速の際にエンジンからの動力をアクスル(車軸)に伝えたり切り離したりするクラッチ機構があり、構成部品の一つであるクラッチレリーズ軸受は動力伝達を切り離す際に使われる。中国やアセアンなどの新興国市場では、冠水した道路などを走るため、クラッチレリーズ軸受の使用環境が過酷になっており、従来の密封シールでは異物浸入を防ぐことが出来ず、クラッチレリーズ軸受が早期に破損するケースが発生しているという。
自動車用マニュアル・トランスミッションには、変速の際にエンジンからの動力をアクスル(車軸)に伝えたり切り離したりするクラッチ機構があり、構成部品の一つであるクラッチレリーズ軸受は動力伝達を切り離す際に使われる。
クラッチ機構は、昨今のエンジンの高性能化やクラッチ機構の小型化により、従来よりも高温環境で使用されている。このため、クラッチハウジングに空気穴を設け外気を取り入れ冷却する構造が採用されている。ハウジングに穴を開けたことで、クラッチレリーズ軸受へ泥水などの異物が浸入し易くなり、異物の浸入を防止出来る密封シールが採用されてきており。
しかし、中国やアセアンなどの新興国市場では、冠水した道路などを走るため、クラッチレリーズ軸受の使用環境が過酷になっており、従来の密封シールでは異物浸入を防ぐことが出来ず、クラッチレリーズ軸受が早期に破損するケースが発生しているという。
同品は、軸受内部に異物が浸入しにくい構造とするため、シールリップの形状を庇型に改良し、ラビリンス構造も付加した。また、軸受と摺動部材の間に排水みぞを設けて、浸入した泥水などの異物を滞留させない構造にした。さらに、シールの改良により密封性を高めながらも摩擦損失は従来と同等を維持した。これにより、泥水環境など、新興国特有の過酷な使用環境に対応する。